||確認事項


なんだろうか。この状況は。

「・・・あの、なんで押し倒されてるんですか私」
「なんでやろうな」
「いやいやいや、ちょっと待てよ」

2人きりの室内で、なぜか私は恋人である光に押し倒されていた。どうしてこうなったんだろう、と先ほどのことを思い出すが、どう考えてもアレが原因だ。いや、でもそれにしたってなんでだよ。たったあれだけのことで・・・・・・、

『綾乃』
『なにー?』
『愛しとる』
『ありがとう』
『綾乃も愛してるって言えや』
『あいらぶゆー』
『いや、愛してるって言えや』
『やだ』
『なんで』
『嫌だから』
『・・・・・・・・・』

いやいやいや、それだけ?でも本当にそれだけなんだよなぁ。なんなのもう。どうしろって言うの、私に。そうやって思考を巡らすうちにも光の動きは止まらず、慌てる私を他所に彼の指は私のスカートの下まで伸びてくる。

「ちょっ・・・、ひか、」

やめてよ、と続けようとした唇は光のそれによって塞がれ、その間にも彼の手はスカートの中をまさぐり続ける。指が下着ごしに陰部をかすめ、ひゃ、という上ずった声が漏れた。

「ん、ゃあ・・・っ」

光はニヤニヤとしながらその辺りをしつこく攻め立て、私の反応を見ては楽しむように笑った。この変態、という呟きを思わず漏らすと、光はまるでそんな言葉聞いていなかったというように肩をすくめた。

「ぁ・・・んっ、ね、ちょっとっ!」
「なんや?」
「今日は、やめて欲しいんだけどっ」
「嫌やな」
「っ・・・ぅ、おねが・・・ぁっ」
「感じとるやん。ならええんとちゃう?」
「ちがっ・・・、おねがい・・・・・・」
「嫌や」

光が笑みを深める。彼の指が下着の隙間から侵入してきて、すでに濡れたそこを直接かすめていった。熱い息が唇から零れ落ちて、歯止めがきかなくなってしまいそうだ。光とセックスをするのは構わないけど、今日はそんな気分じゃない。だからその手を止めてもらいたいのに。

「ふっ、ぅ・・・、光・・・」
「嫌やって」
「・・・っ」

ぐちゅ、という卑猥な水音が耳に届く。彼の指が秘所へと挿し入れられたのだ。あまり十分にならされていなかった為に痛みが伴ったが、でも快感であることにかわりはないわけで。指が奥へ進み、そして前後に動きを繰り返す内に、私の声は甘く高く変わっていく。

「ゃあ・・・ん・・・っ、光っ」
「そないにやめて欲しいん?」
「そう、だよっ!」
「・・・なら、綾乃が愛してるって言ったらやめたる」
「え・・・」

そんな恥ずかしいことを、言えと?目を見開いて光の方を見ると、少し不貞腐れたような顔をしていた。なんだよ普段ツンツンしてるくせに、こんな時ばっかり愛を求めやがって。この毒舌ンデレめ。
私の目が泳ぐ。たしかにこの状況からは脱したいが、そんな恥ずかしいことを言わないといけないのか。いや、たしかに光のことは好きだし愛してるけど。でも、だからって、

「綾乃?」

不安そうな瞳。悲しそうな視線。あぁもう、そんな風に見られたら、もう言うしかないじゃないか。

「っ・・・、愛して、るよっ!」

言い終えるや否やシーツに顔を埋め、真っ赤になった顔を隠すようにする。そうして光の指が抜かれるのを待ったけれど、なかなか抜かれない。おかしいな、と思って光の方をちらりと見たら顔が真っ赤だった。

「・・・・・・綾乃」
「・・・なに?」
「愛しとる」
「・・・うん、私も」


事項


でもそれとこれとは話が別や、と光が行為を再開させるのを見て、ぶちり、と何かが音をたてたような気がした。
――――――――――――
リクエストが集中したこともあり、短期間に裏を書きすぎてネタ切れ気味です。
リクエストありがとうございました!

2013/2/2 repiero (No,95)


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