||拘束


「賭けをしよう」

ドSで妖艶でイケメンな私の彼氏は、今日も唐突にそんな事を切り出した。

「賭け?」
「そう、賭けじゃ。おまんが勝ったらなんでもお願い聞いてやるぜよ」
「ほんとに?それは嬉しいけど、どうせ私が負けたら・・・」
「ま、今日も遊ばせてもらうことになるかの」
「・・・ですよね。じゃあやらない」
「だーめ。拒否権ナシじゃ」
「はぁ?そんなの私が聞くわけ・・・」
「あ、そ。不戦敗っつーことでええんじゃな?」
「・・・わかったよ」

渋々溜息をついた私に、彼は本当に嬉しそうに笑った。





「・・・まさは・・・っ、」
「逃げるつもりなん?無駄じゃき」
「ちょっ、待ってってば!」

両腕を上に縛り上げられ、裸にされた状態で、私は必死に雅治への抵抗の姿勢を取っていた。もう何度もやらされたこの行為ではあるが、恥ずかしいものは恥ずかしいし、なによりもプライドが傷付く。とっくにそんなものはあってないような感じなんだけど。
雅治はまず私の腹部の辺りに指をなぞらえ、いきなり胸の頂を舌で吸い上げた。びくりと身体が震える。雅治が嬉しそうに笑った。

「ゃ・・・」
「嫌?興奮しとるくせに?」

妖艶な笑み。私は恥じるように視線を逸らした。たしかに、この状況に興奮していないといえば嘘になる。雅治は私の秘所を見ずとも、そのことにしっかりと気がついていた。彼の唇が胸元を這い、首筋を伝って、私の顎を舐め上げた。

「はっ、ぅ・・・ん、」

はっきり言って、雅治の浮かべる表情はかなりエロい。妖しげというかなんというか、見ているだけでそそられてしまうというか。あぁもう、私変態みたいじゃないか。

「触ってええ?」
「は!?ちょっ、まだ・・・」

いきなりすぎる申し出に慌てて断ろうと叫ぶが、雅治はそんなことお構いなしのように秘部へと指先を走らせた。すでに僅かに蜜をこぼすそこが、ひくりと震える。雅治から逃げるように腰を捻れば、逆にそれが彼を煽ったのか、先程よりも強くそこを弄られる。それと同時に彼の唇が再び胸元を這い回って、羞恥と共にむず痒いような快感に襲われた。

「ふっ、ぅあ・・・っ!」

くちゅ、くちゃ、という淫猥な音。乳房を遊ばれるたび、その頂点を吸われるたび、身体が敏感に反応を示す。秘所の入口ばかりをせわしなく動き回る彼の指先にも、焦れるように身を捩らせた。

「ゃあ、ぁっ、ふぅっ・・・・・・」

ゆるゆると腰が動き始める。彼の与える弱い刺激では足りない。本能的に、その先にある快楽を求め初めていた。雅治はそれに口角を持ち上げ、秘所を弄っていた指を少しだけ中へと差し入れた。

「っっ!!っう・・・、あぁっ・・・」

もっと奥へ招きいれようと、身体が自然と動く。これではまるで痴女でしかないが、もう身体がそう反応するようにつくりあげられてしまったのだ。彼とセックスをするたびに、私はどんどんと淫乱に堕ちていく。

「気持ち良さそうじゃの」
「ふっ、ぅ・・・、いじ、わる・・・」

のん気な声が頭の上から降って来て、私は唇を噛んだ。彼はこうして私が乱れる姿を見て楽しんでいるのだ。
と、突然、雅治が秘所から指を外した。入口だけとはいえ、微妙なところで抜かれてしまい、空虚感が塊となって押し寄せる。胸を遊んでいた唇も離れていき、完全に私は雅治から解放されてしまった。空調が部屋の空気を流していく。それが肌を撫ぜ、もどかしい感覚に身震いした。

「雅治・・・っ!」
「なんじゃ?」

彼が何を求めているのかはわかっている。雅治が、私に何をする事を望んでいるのか。弄ぶように、雅治が私の唇を奪った。絡め取られた舌をちゅぅと吸われ、性的な涙が零れ落ちる。雅治が口元だけで笑った。

「っ・・・、おねが、い・・・」
「お願い?何をして欲しいんじゃ?」
「・・・っ、まさ、はるの・・・ぜんぶ、が」
「へぇ。それで、どこに?」
「こ、こに・・・っ」

震える声が、指し示す場所は。

雅治が嬉しそうに笑う。大きく開かれた両足の中央、私の秘所を見つめて。正直言って外気に擦られるわ恥ずかしいわで最悪な状況であったが、これをしなければ、雅治が何も私にしてくれないのは経験でわかっていた。雅治が身体を持ち上げる。立ち上がったそれを私の秘所に宛がって、そこから一気に奥を突き上げた。

「ひぁああっ、あっ、ああああ、」

ぐ、と明らかに大きすぎるものが奥へと進み、雅治が少しだけ顔を顰めた。まだ十分に慣らしていないから、きついのかもしれない。しかし痛みと共に込み上げてくるのは、言いようがない快楽であった。

「動くぜよ」
「ぁ・・・、あっ、あ、ぁっ、あっ」

肌と肌のぶつかる音と、内壁の擦れる音とが耳を支配した。もう何も考える事無く喘ぎが漏れ、与えられる快感にすがりつくように声を漏らす。雅治が達するまでの間、私は何度もイかされた。ようやく雅治が達した時にはもう私の意識は朦朧としていて、どくん、と中に吐き出されたそれを受け、私はそのまま彼の腕の中で果てた。


拘束


穏やかな寝息をたてる私を見つめながら、雅治はそっと両腕を解放してくれた。
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リクエストありがとうございました!

2012/9/1 repiero (No,65)


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