||すうぃーと・すくーる・でいず


※このお話は、「離愛クライシス」の番外編です。本編をお読みになった後での閲覧を極力推奨いたします。


「っだぁーーーーーーーーーー!!!!」
「うるっせぇぞ赤也!!」
「すんません!!」

4月20日、晴れ。俺が2年にあがって、1週間とちょっと経つ、今日この頃。

「はぁ……」

ただいま俺は、ちょっぴりセンチメンタルな気分に浸っていたりします。

「んだよ、気色悪ぃな……。めぐみに会えねぇのがそんなに嫌かよぃ?」
「嫌っすよ!! あぁもう!! なんで先輩は1年の相手ばっかしてるんすか!!? 新入生だからって! 新入生だからって!! なんで1年より年上の俺が! 先輩の恋人の俺が!! 1年より後回しにされなきゃいけないんっすか!?!?」
「そりゃ部活の為に決まってんだろぃ? お前は部活以下なんだよやーい」
「うるっさいっすよこのブタ」
「あぁ!? おっまえ先輩に対してなんつーこと言うんだよぃ!!」
「まーまー落ち着きんしゃいブンちゃん」
「ブンちゃん言うな!! お前はすっこんでろ仁王!!」
「仁王先輩たすけてー!」
「任せんしゃい」
「なっ、赤也の味方すんのかよ!!」
「うるさいぞ三馬鹿ァ!!」
(((三馬鹿!?!?)))

ぎゃーぎゃー、わーわー。ブタ……じゃなくて、丸井先輩のせいで、フクブチョーに怒られてしまいました。しかもいつの間にやら三馬鹿なんていう呼ばれ方もされてるし・・・。

「はぁ」
「んなに寂しきゃ、めぐみんとこ行ってくりゃ良いじゃねぇか。で、邪魔って言われてへこんでこいよ」
「先輩はそんなこと言いません!! もっとビブラートに包みます!!」
「オブラートじゃ馬鹿也。あと邪魔になることは自覚しとるんじゃな」

仁王先輩にべしっとデコピンを決められた。痛い。

はぁ。
漏れるのはため息ばかり。頬杖をついて、部室の外で1年生のサポートを続ける先輩を見ていると、丸井先輩に呆れたような顔をされた。情けねぇな、ガキかよ。なんて、先輩だって大して変わらないくせに。この前彼女に振られて意気消沈していたのはどこの誰だ。立ち直りは一瞬だったけど。でもこの先輩がまだ影でその人のことを引きずって、時々遠い目をしていることを俺は知っている。俺が知ってるんだから、他の先輩だって気がついているだろう。意外だけど、丸井先輩は純愛主義者だ。

「あっ!!」
「どーかしたんか、赤也」
「めぐみ先輩がこっち来てるんっすよ!」

言うが早いか。

「つっかれたー!」

部室の扉が開き、爽やかな笑顔を浮かべるめぐみ先輩が入ってきた。瞬間、ぱっと顔を輝かせてしまったのが自分でもわかる。丸井先輩が「げぇっ」って顔してたから間違いない。仁王先輩は年寄り臭く「青春じゃのー」なんて言ってる。

「めぐみせんぱぁぁぁい!!」
「きゃっ!? あ、赤也! ちょっと、やめてよっ」
「なんでっすかぁぁ! 最近かまってくれなくて寂しいんっすよぉぉ」
「だ、だからってこんなとこで抱きつかないでよ……」

困った様子のめぐみ先輩を見かねてか、仁王先輩にべりっと引き剥がされた。落ち着きんしゃい、だって。この先輩は妙に大人びたところがあるから困る。いや、むしろ老けているというべきか。

「まぁ、こいつもこいつでめぐみのこと好いとるんじゃ。1年のことは俺らも手伝うきに、少しは構ってやりんしゃい」
「おい待て仁王『俺ら』ってなんだよ」
「仁王……、ありがと。ごめんね赤也」
「おい話進めんな」
「……っす。今日、一緒に帰りましょうね!」
「おいイチャついてんじゃねぇよぃ」
「もちろん!」
「おい」

めぐみ先輩は微笑み、優しく俺の頭を撫でてくれた。やれやれといった様子の仁王先輩。ぎゃーぎゃーとうるさい丸井先輩。
ああ、幸せだな、なんて思ってまためぐみ先輩に抱きついたら、丸井先輩に思い切り頭を叩かれた。


ぃー・すーる・いず


全く、そんなに嫉妬しなくても良いのに。……って痛いっすよ先輩ぃ!!?
――――――――――――
大変お待たせいたしました!!オチなしすみませんorz
この作品は10万hit企画リクです。

2013/8/11 repiero (No,140)

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