||ふざけるなと泣きかえした





結婚式まで1ヶ月あまり。なんていうか、実感がわかない。幸せだけど。
あれからたくさんのことを話して、たくさんのことを考えた。でもやっぱり、最終的に辿りついたのは「光と一緒にいたい」っていう一番の気持ちで。そうなったら、もう、光からのプロポーズにうなずくより他はなかった。

「夕菜」
「ん?」

光は私に口付け、嬉しそうな顔をして笑った。君の色々な表情がこれから見れると思うと私は幸せだよ。思わず口元が緩んで、光に気持ち悪いといわれてしまった。むぅ。

「ね、光、私幸せかも」
「かもってなんや、かもって」
「あー・・・なんだろうね?」
「ちょ、なんでそこ曖昧なん」

てへぺろ、と舌を出せば光にチョップをくらわせられた。実に優しい手刀だったから、文字通り痛くも痒くもなかったけれど。
あー、と呻きながら私がぼーっと天井を眺めていると、光がその肩を叩いた。反応してそちらを向けば、頬に突き刺さる光の人差し指。・・・ねぇ、ちょっと、君は小学生ですか? 私がコホン、と咳払いをすると、光が薄く笑った。

「なぁ、これ、何かわかるか?」
「え?なに・・・、・・・・・・・・・・・・」
「もうすぐやし、な」

光が小さく、照れくさそうに微笑む。光が私の手に握らせた小箱の中に入っていたのは、白く輝く綺麗な指輪だったわけで。

結婚かぁ、なんて急に実感が沸いてきた、気がした。

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