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一人残された私は、とぼとぼと園内を歩いていた。ぼうっと彼のことを考えるけれど、浮かんでくるのは嫌なことばかりだ。

「あ・・・・・・」

遠くの方に、見覚えのある姿が見えた。蓮二と、あの女性だった。親しげに会話をしている。蓮二の愛人、いや、正真正銘の恋人なのかもしれない。私はその場から逃げるように歩き出し、姿が見えなくなったところで適当にベンチに座った。
と、その時メールが届く。

「誰、だろう」

携帯を開いて、飛び込んできたのは蓮二の名前だった。

――――――――――――
To:奈菜
From:蓮二

すまないが、今日は帰れそ
うにない。
先に帰っていてくれ。
――――――――――――

「帰れない、って・・・」

どういうこと、なの?
先ほどの光景が頭をよぎった。あの女の人は、私なんかよりも断然蓮二にお似合いで。それを考えると涙がこぼれそうになって、慌てて目を拭った。


置いていってもいいから、忘れないでください


逃げるように遊園地を出た。

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