||単純思考
※この作品は、「いつか交わる平行線」の番外編です。できるだけ、本編を読まれた後での閲覧を推奨いたします。
「芽衣ー」
「なに」
「好きじゃ」
そう、甘ったるい台詞を大衆の前で白昼堂々と言いしめたのは、もちろんのこと、私の自慢の彼氏である仁王雅治くんである。
さて話は唐突だが、我ながら、気持ち悪いほどに仲が良いと思う。なにの仲が良いかって、それはもういうまでもなく私と仁王のことである。
「仁王」
「なんじゃ」
「――なんでもない」
「好きって言ってくれるんじゃないんか?」
「なんでそうなった!」
「プリッ」
「・・・はぁ」
なんというか、まぁ。一緒にいる時はいつもこの調子なのである。ひとたび口を開けば飛び出すのは好きだの可愛いだの愛してるだの抱きしめたいだの、1から10までを全て言わなければ気が済まないとばかりに言葉を並べてくるのである。
・・・まぁ。それが嬉しくないといえば、嘘になるんだけど。
「・・・あのね、仁王、大通りで言うのは恥ずかしいからやめて」
「なんでじゃ!?デートなんじゃからええじゃろ!!」
「いやそれ関係ないからねうん」
本当にびっくりするほど関係ないのだから困る。これでもですね、私たち一応初デートなんですよ皆さん。それでテンション上がるのはわかるけどでも上がりすぎなんですよ。
「言われるの、恥ずかしいんか?」
「あー・・・うん、まぁ」
「じゃあやめちゃる」
「ほんと?」
「おん。芽衣がここでちゅーしてくれたらな」
「は?」
「さぁ芽衣!!俺の胸にとびこいたたたたたた、す、すまん、すまんぜよ!!」
あまり馬鹿ばっかり言ってるとこうなるから覚えとけ。・・・まぁ、でも。
「仁王!」
「ん?・・・っ、」
こんなに愛してくれるかっこいい彼氏がいるんだから、私も少しは応えてやっても良いのかもしれない。
「芽衣〜〜!!」
「っ、っるさい!早く行くよ!」
「おん!」
単
純思考
淡く熱を持った唇を緩ませ、私たちは大通りの喧騒へと身を投じた。
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お待たせして申し訳ございませんでした(スライディング土下座
早く書こう早く書こうと展開を焦る内に少し物足りない感じに。う、うーん・・・。
リクエストの解消をいたしましたら、時間がある時にでも書きなおします。
※この作品は10万hitフリリク企画にて書いたものです。
2013/6/15 repiero (No,131)
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