||閉鎖的なお付き合い





それから数日が経った。屋上での仁王との別れはあんなものだったが、それでも関係が悪化することはなかった。会えないという溝を埋めるかのように、メールの件数ばかりが募っていく。電話も場所を選ばないといけないから、自宅にいる時しかかけないようにしていた。メールの中身を見られない限りは、絶対にばれない。と思う。

(なんか切ない)

一応言っておくが、仁王は私にとっては初恋ではなくとも始めての彼氏なわけで。それがいきなりこんな良い人捕まえられたのは自分でもびっくりだけど、それ以上にこんな付き合い方をしなくてはならない事が切ない。あれだよね、恋をすると乙女になるっていうけど、今まさに私は乙女だと思う。異論は認めない。

「芽衣、端から見ると携帯依存症だよね」
「いや実際そうでしょ」

四六時中携帯をチェックして、さすがに授業中はあまりしないけど、休み時間になるとほぼずっと携帯を見ているだろう。元々メールとかは結構する方だったし、周りはそこまで気にしてはいないみたいだけど。まぁモ○ゲーにでも嵌ったことにしといてください。はい。

「いつまで続くのかなー、こんなの」

この付き合い方をいつまで続けなければいけないのか、という意味合いも勿論だが、こんな付き合い方でいつまで気持ちが続くのか、という意味合いも含まれていた。

「会いたい」

自分から言い出したことに、ものの数日で弱音を上げた自分は、本当に馬鹿で弱い奴だと思った。

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