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リング編


リングが渡されてから五日たった。
ツナがすっごく汚れて帰ってきたり、学校に行かなかったり、屋上が使えなかった以外は夢月にとってはいたって普通の日常だった。
…とても父親がうざかったが。

遠くからツナがレロに乗った夢月の元へ走ってきた。

『ツナぁどうしたのぉ?』
「あ!夢月!ランボが大変なんだ!」
『ふーん』

我関せず、と言った体を貫いて傘の上で足を組む夢月に綱吉は眉を下げながら手を伸ばす。

「ふーんじゃないよ!傘に乗ってないで一緒に探そう!」
『その必要はないよぉだってランボ、あそこにいるじゃん。』

つい、と夢月は向こう側を指差した。
あっちに怪しい黒服が子供を襲ってるといういかにもな集団がいるのに何故こちらに向かってきたのだろう、と夢月は首をかしげた。

「!!フゥ太!!ランボ!!イーピン!!」

黒服が剣を振りかざした瞬間黒服が吹っ飛んだ。
黒服の男の後ろには笹川良平。
すごいタイミングの良さだ。と夢月は感心した。


感心している間に獄寺と山本も来た。
危険察知能力とかでもついてんのかなぁ?と、夢月が訝しがるほどのタイミングの良さだ。

「み、みんな…!!」

綱吉のホっとした表情を見て、夢月は場違いにも笑ってしまった。

これからもっと大変になるというのに。

くつり、と夢月が喉を鳴らした瞬間、空気が張り詰める。

「!くるぞ…!」

初めに来たのは、変態だった。
目が合っちゃった。最悪ぅ…。とが夢月が顔をゆがめると、男の声が響く。

「待てェレヴィ!」

現れた黒服の集団…ヴァリアーに懐かしそうに目を細める。
相変わらず怪しいなぁ、というどうでもいい思考は馬鹿でかい声に邪魔された。

「う゛お゛ぉい!!!よくもだましてくれたなぁカスども!」

相も変わらず声が大きい…と思いつつ、スクアーロが山本にガンたれているのを夢月が見ていると、後ろからXANXUSが来た。


XANXUSの殺気に綱吉が腰を抜かしている。千年公に比べたら全然弱いのだが…最も、千年公と人間を比べるのが間違いなのだが。
そう思考に浸っている夢月の肌に悪寒が走った。あいつが来た…と夢月は眉をひそめる。

「まてXANXUSそこまがでだ。」
「これからはオレが取り仕切らせてもらう」

はぁ。弱い殺気を出さないでほしいなぁ。
殺したくなるじゃない。
そう思いながら夢月は自身から漏れ出しそうな殺気を抑えた。
最も、その瞳孔は完全に縦に割れていたが。


その顔を唯一近くで見ていたレロは後日こう言った。「ろーとたまの時もあそこまで怖くはなかったレロ。本当、沢田家光とろーとたまの相性は最悪レロ」…と





「同じ種類のリングを持つもの同士の一対一のガチンコ対決だ。」

何とか殺気を抑えきった夢月はその言葉に微笑む。人形が増えるかも、と





  リング戦開始
(ボクの相手はどんな人かなぁ?お人形みたいに綺麗な子だといいなぁ♪)(また夢月たまのお人形が増えるレロ。)

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