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リング編


『ただいまぁー♪』

上機嫌で帰ってきた夢月を待っていたのは、明らかに父の私物がそこらじゅうに転がる我が家。
庭にはたくさんの作業着。玄関には泥だらけの靴とつるはし、ヘルメット

『嗚呼…あいつ、帰ってきたんだ。』

鬼もかくや、という形相で夢月は苛立たしげに舌打ちした。
どれくらい恐ろしかったかというとロード・キャメロットのときからの付き合いであるレロさえも凍りつくくらい、と言えばいいだろうか。




「夢月ー!!朝飯獲りに行かねーか?」

朝から年頃の娘の部屋に無断で入る父親、とはいかがなものか。

『…行かない。』
「…そうか。ツナも夢月も恥ずかしがり屋になったんだな。」

そう言って笑うと家光はさっさと扉を閉めて階段へ向かっていった。

どんどん夢月のストレスは溜まっていく。
それに比例して眉間のしわも。




身支度をすると、階段を下りて居間に向かう。

『おはよぉ父さん。』
「おはよう夢月!父さん避けられてると思ってブロンクハートだったぞう」
『…へぇ』「…これが思春期って奴か。夢月も大きくなったなぁ。」
『………』

無言で夢月は立ち上がり、自室に向かった。
正確には、自室にいるレロのもとへ。



    大っ嫌いなアイツ
(ねぇ、レロ)(な、なんレロか!?)(一発殴らせてぇ)(ひぃ!!!)

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