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リング編


「あ!夢月、これから遊びに行かない?」
『いいですよ?』

綱吉達は補修があるはずなのだが…そう思いつつ、お人好しの『夢月』は微笑んで頷く。
リング戦の始まり始まり〜ってね
そう小声でこっそりと呟き、夢月はとても楽しそうに笑みを浮かべた。



オープンテラスでジュースを飲みつつ、京子と綱吉が良い雰囲気になっているのを横目で見ながら夢月はダメツナのくせに、と心の中で呟いた。

のどかな、休日の風景だった。
…もっとも、夢月はこの後その風景が壊れるのを知っていたが。



不意に爆音とガラスの割れる音が轟く。
暗殺者なのにあんなに目立っていいのかなぁ?と思いながら手櫛で髪を整えつつ、夢月はこの後の展開に思いを馳せる。

そうして傍観している間にディーノという男が出てきて、事態が収束に向かっていた。

『久しぶりだねぇスクアーロ♪』

スクアーロと交渉しているディーノの影から夢月はひょっこりと顔を出し、スクアーロに話しかける。

「!?夢月?なんで…口調が…」
『ツナは黙っててぇ?今はぁ、スクと話してるんだよぉ』
「ちっ。今日は夢月に免じてこいつらの命は預けといてやる。だがこいつはいただいてくぜぇう”お”ぉい」

状況が分かっていない綱吉達をおいて、リボーンがスクアーロにひらひらと手を振っていた夢月に話しかける。

「おい、ツナ、夢月、行くぞ。…聞きたいことがある。」

ふふっ尋問、って奴かなぁ?
夢月は笑みを浮かべた。綺麗に、妖艶に、この先の出来事に思いをはせるように。



ばれてしまった本性
(ツナの妹…何であいつと知り合いなんだ?)(…夢月は、敵か、味方かだな。今のところは。)

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