貴方のことを、思い出す。
初めて会った時の、好奇心旺盛な瞳を。
無邪気にはしゃぐ、横顔を。
怒った顔、悲しむ顔、喜ぶ顔。
全て、こんなに鮮明に。
今でも鮮やかに蘇るのに。
冬空の下、貴方は逝ってしまった。
静かに、眠る様に。
夜に、溶ける様に。
穏やかな表情で、まだ、身体も、温かいのに。
もう、呼ぶ声に応えてはくれない。
もう、その眼を開けては、くれない。
もう、ここに、いない。
苦しくて辛くて信じたく無くて。
何度も身体を揺すって。
何度も、何度も、名前を、呼んだけど。
悲しくて悲しくて、堪らなかった。
苦しくて、苦しくて。
認めたくなんて、無いのに。
でも。
泣いてばかりだと、貴方も悲しむだろうから。
苦しいけど、悲しいけど、前に、進まないと、いけないから。
思い出を、抱いて。
前を、向くから。
ねえ、貴方は、幸せだったかな。
こんなに貴方は思い出を沢山くれたけど、少しは貴方に返せていたのかな。
少しでも、会えて良かったと、幸せだったと。
そう、思ってくれているかな。
そうなら、嬉しい。
もし神様がいるなら、最後に貴方に伝えてほしい。
今まで、本当にありがとう。
大好きだよ。
一緒にいれて、幸せだった。
おやすみ、 。
110226
(ゆっくりおやすみ、良い夢を)
愛犬が息を引き取った苦しさとか悲しさとか、思いつくままに書きなぐりました。
ゴールデンレトリバーの彼女は16歳を超えていたので覚悟はしていたのですがやはり辛いものです。
まだ小さかった頃からの付き合いなので思い出が溢れてきます。
賢い彼女は悪戯好きで、困ることもありましたが擦り寄る姿は可愛らしかったです。
脱走したらコンビニからアイスを貰って帰ってきたり、育児放棄をしたり……
夫と子供を先に亡くしてからも飄々とした可愛いおばあちゃんでした。
彼女とは、本当に語りつくせないほどの思い出があります。
人間で言うと100歳は越えている彼女の人生が、幸せであったことを祈って。