15mクラス | ナノ
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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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距離15m:sideM


「古川、帰り遊んでかない?」
「良いよ。松川も一緒に行くよね?どこ行く?」
一緒に帰るようになった東と古川。今日は俺も古川に誘われた。

「えっ、あ、うん」
東の反応が読めず焦りながら返事する。
「じゃあ亮も一緒で良い?」
東がにこやかに名護に声をかける。
名護は東とはまた違ったイケメンで、東が優しい印象に対して名護はワイルドなイケメンだとクラスの女子は言う。最近はこの4人でいることが多い。

「俺腹減ったからどっかで飯食おうぜ」
名護の一言で俺達は近くの店に入った。

「何にする?」
俺の隣は名護で、古川が前に座った。壁際の奥の席で一瞬不安を覚える。
「んーどうしよっかなぁ」
「余りお腹空いて無いなら、デザートは?」
東とひとつのメニューを一緒に見ながら悩む古川。近すぎないか?

「どうかしたか?」
思ったより近くから声が聞こえて驚いて隣を見る。
するとかなり近くに整った名護の顔があり、驚いて身体を引いてしまう。
「面倒だから一緒に見ようぜ」
名護はほら、とメニューを広げて見せてくれる。
「う、うん」
別に普通のことなのかっ!?と激しく疑問だが口に出せないままメニューを見る。

全員決めて注文をした後、4人で話す内に料理が運ばれてきた。
一番早かったのは名護で、熱い内に食べた方が良いと先に食べ始めた。
しばらくして残り3人の分が来た。

笑いながら食べていたのだが、古川のセリフに俺は驚いた。
「なぁ、東、一口交換しない?」
「良いよ。はい」
すっと差し出されるフォークに食い付く古川。

「ぐふっ」
まるで恋人同士のやり取りにむせて咳込む。
「大丈夫か?」
名護が背中を擦ってくれたが、俺はしばらく咳込んでいた。

結局あれから余り食べれず、食べ切れなかった分は名護が食べてくれた。
全員食べ終わり料理が無くなった俺達は帰ることにした。
「今度は休みにデザートバイキングに行かない?流石に一人は行き辛くて」
帰り道に東が割引券があるんだ、と言い出した。
「松川も甘い物好きだし、もちろん行くよなっ」
今週の土曜にしようと提案する古川が何故か俺を誘う。

「じゃあ土曜日に行こうか」
笑顔だが無言の圧力を東から感じる。身の危険を感じたとき名護が発言する。
「俺も行く」
その発言に東も驚いた顔をしていたが、結局名護も来ることになり、詳しくはまた学校で決めようということになった。

何故俺は巻き込まれているんだろう、と俺はガックリしながら考えた。しかも最近は名護まで増え、女子の視線が痛い。
平凡な日々に早く戻れますように、という俺の祈りはもちろん叶うことは無かった。




100911
(女子の視線が怖い…っ)

常識的な松川君
巻き込まれる苦労性(笑)