「古川、帰り遊んでかない?」
「良いよ。松川も一緒に行くよね?どこ行く?」
そろそろ次の段階に移ろうと古川に声をかける。と、古川は松川も誘う。
「えっ、あ、うん」
俺を気にしながらも頷く松川。多分何かしら気付いているんだろうが、松川なら誰にも言ったりしないだろう。
「じゃあ亮も一緒で良い?」
それに松川のことも予想していた。
名護はいわゆる俺の悪友で、最近はこの4人でつるむことが多かった。
「俺腹減ったからどっかで飯食おうぜ」
亮の一言でファミレスに行くことになり、近くの店に入った。
「何にする?」
古川を壁と俺で挟むように座る。奥の席だから周りを気にしないでいられる最高の席。
「んーどうしよっかなぁ」
「余りお腹空いて無いなら、デザートは?」
古川とひとつのメニューを一緒に見る。近くから視線を感じる。
「どうかした?」
「いや、東はやっぱり格好良いと思って」
一瞬驚くが、本当に嬉しい。自然に笑顔になる。
「ありがとう、古川に言われると一番嬉しい」
本音だが、まだ古川はよく理解していないようでニコニコしている。
その後上機嫌なまま注文を決めた。古川はモンブランで俺はチョコケーキだ。多分古川は一口欲しがるだろう。
亮達はまだメニューを見ている。
身体を近付けてひとつのメニューを見る亮に驚いたが、面倒だったんだろうと古川に意識を戻した。
二人も決まったので注文をした。
4人で話す内に料理が運ばれてきた。
一番早かったのは亮で、先に食べ始めた。まぁこいつだけメインだし仕方ない。
しばらくして残り3人の分が来た。
笑いながら食べていたのだが、古川が俺を伺いながらたずねてくる。
「なぁ、東、一口交換しない?」
「良いよ。はい」
すっと差し出しニコニコしたままでいると、古川がパクッと食い付いてくる。
可愛いと見つめていると前からむせる音がした。
「ぐふっ」
どうせ松川だろうと思い気にしないで古川から一口貰う。
「ありがとう、とっても美味しかったよ」
間接キスも出来たし、と心の中で付け足しておく。
しばらくして料理が無くなった俺達は帰ることにした。
「今度は休みにデザートバイキングに行かない?流石に一人は行き辛くて」
帰り道に古川を誘う。
「松川も甘い物好きだし、もちろん行くよなっ」
楽しそうな古川が今週の土曜にしようと提案してくる。
「じゃあ土曜日に行こうか」
松川が邪魔だが予定通り休日デートの予約を取り付けた。松川は後で言いくるめれば良いか、と考えていた時亮が発言する。
「俺も行く」
どういうつもりかは後で聞くことにして、取り敢えず松川はこいつに押しつけよう。
詳しくは後日、と取り敢えずその場は解散した。
着々と計画通り進行していることに俺は自然に口角が上がる。
亮がどういうつもりかは気になるが、面倒が嫌いな亮が俺と対立するのに古川には手を出すとは考えにくい。
取り敢えず次はもう少し俺を意識させよう、と俺はどうやって古川に意識させるかを考えることにした。
100911
(ケーキより早く古川を食べたいな…)
サラッとはいアーンをさせる東君
第二段階は放課後デート