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それゆけ!BL戦隊!


ここはとある街の公園、散歩中の人たちなどがたくさんいる憩いの場です。
「きゃああ!!誰かあああ!!」
突然響く女性の悲鳴。そう、悪の組織が登場しました。
「私のスケッチブックがあ!!」
「キーッ!キキーッ!!」
全身黒いタイツという悪の組織の一番下っ端数人が女の人からスケッチブックを奪ったのです。

「こらっ!俺達が来たからにはもう悪さはさせないぞっ!」
「ああっあなた達は!!」
女の人の眼がキラキラと輝きます。
「この街の平和は俺達が守る!ウケレッド!(古川十也)」
「え、選ばれたからには頑張ります…ウケブルー…ぅぅ(松川圭)」
「これ以上間違った日本文化の情報は俺が阻止する!ウケイエロー!(萩原紘太)」
「平和より自分の身を守りたい…ウケグリーン(鈴木瞬)」
「…とりあえず適当に頑張ります…ウケブラック(岡崎和希)」

古川「俺達BL戦隊ウケレンジャーが来たからにはもう好きにはさせないぞっ!!」
なんとこの5人はウケレンジャーだったのです。にしては個々人でかなりやる気に差が見られますが、とりあえず所定位置について決めポーズをとっています。
松川「というかなんでそれぞれのカラーの普通の学ランなの!?顔丸見えじゃん!!」
瞬「まだ紺なら普通だけど俺緑だよ?ダークグリーンぽいけどさあ…」
紘太「俺黄色!!一番悲惨!!」
和希「黒で良かった…」
5色の学ランは中々目立ちます。恥ずかしいのかブルーなどは顔を隠すようにうつむいています。

古川「皆、とにかくあいつらを倒さないと!」
瞬「そうだったあいつら倒さないとこのままなんだった」
和希「強制的に変身だもんな…」
この学ラン、悪の気配を察知すると自動的に変身させられてしまうのです。しかも倒さない限りはこの衣装のままです。
松川「で、でも倒すって…どうやって?」
紘太「とりあえずあのスケッチブックをとり返したらいいんじゃないか?」

倒すにしても全員身体能力は平凡な彼らは、とりあえず原因の物を取り返そうという結論を出したようです。
古川「平和のために、皆、行くぞおっ!!」
4人「「「「おお〜!(主に普通の姿に戻るためにね)」」」」
全員勢いよく黒タイツに立ち向かいますが、体格のいい黒タイツ相手に平凡な体型の彼らでは太刀打ちできません。
何度も取り返そうとするうちに体力だけが減っていきます。

古川「くっそ〜、はあはあ、あと、ちょっと、なのに…!」
松川「し、しんどい…」
紘太「ぜいぜい、くっそおおお、こんなもの早く脱ぎたいのにっ!」
瞬「つ、疲れた…」
和希「く、苦しい…」
よろよろになったウケレンジャーに黒タイツ達が迫ります。
もう体力の無いウケレンジャーでは黒タイツになす術もありません。
黒タイツの魔の手が迫り、もうだめだ!と誰もが(なぜかキラキラした眼で見ている女の人はいますが)思った瞬間!

「何をしようとしているんですか、このモブ風情が」
刺すように冷たい声が聞こえ、黒タイツ達も皆声の方を向きます。
「古川が可愛くお願いするならこの街も古川のついでに守る、セメレッド(東省悟)」
「松川がするなら俺も手伝ってやるよ、セメブルー(名護亮)」
「妻は夫が守る!国際化の証!セメイエロー!(キース)」
「瞬の生足を見た奴は殺す、セメグリーン(瀬戸朱史)」
「和希に手出したらぶっ殺す、セメブラック(火向千秋)」
何やら物騒なセリフが聞こえたような気がしますが、そこにはキラキラしい美形の5人が立っていました。

古川「あ!セメレッド!!」
東「大丈夫?すぐ片付けるから」
セメレッドがウケレッドに優しく笑いかけると、ウケレッドは安心したように笑い返します。
松川「な、なんでそっちはスーツなの!?」
名護「色はカラーで指定だけどな、そっちは学ランか、へえ…新鮮でいいな」
ウケブルーはセメブルーのにこやかな笑顔に身の危険を感じ、引きつった笑顔で後ずさります。
紘太「誰が妻だ誰が!!」
キース「ああっ!それが伝統の学生服、学ラン!?詰襟を脱がす伝統を…!!」
セメイエローの言葉にウケイエローはそんな伝統は無い!!と大声でつっこみます。
瞬「ひっ!ど、どうしてここに…!?」
朱史「俺が瞬の居場所が分からないはず無いでしょう?ああ、疲れたでしょう、俺がじっくり全身をマッサージしてあげますよ、特にその脚を」
うっとりと脚を見つめるセメグリーンに、ウケグリーンは真っ青になります。
和希「…ここでは話するのか?」
千秋「本編とここは一応別だから、こっちではくっつきたい」
本編では存分にくっつけていないためくっつきたくて仕方ないセメブラックを、ウケブラックは呆れたように見やります。

「キ、キーッ!キキーッ!!」
無視されている形になってしまっていた黒タイツが叫ぶと、鬱陶しそうにセメレンジャー達がそちらを見ます。
その凍りつくような視線に、黒タイツ達は固まってしまいます。
東「…ちっ、先に潰すか」
名護「面倒だな…」
キース「早く済まして家族サービスだな!」
朱史「黙っていれば見逃したものを…」
千秋「…邪魔…」
黒いオーラを放つ正義の味方に、黒タイツ達は怯えています。
東「じゃあサッサと逝ってもらうか」
にこっと笑って言ったセメレッドの言葉を合図に、セメレンジャーが黒タイツ達に近づきました。

古川「はい、これですよね」
「あ、ありがとうございます!」
ウケレッドがにっこり笑ってスケッチブックを女の人に返します。
セメレンジャーはほんの数分で黒タイツ達を倒してしまいました。その際にばき、ごき、などの不穏な音が聞こえていたような気がしますが、気にしてはいけません。
紘太「…ていうかなんで俺達もとに戻んないんだよっ!?お前達だけ不公平だっ!!」
黒タイツ達が倒され、逃げかえって行ったときにセメレンジャーは普通の制服に戻りましたが、ウケレンジャーはそのままです。
キース「それはセメレンジャーが倒したからだよ、ウケレンジャーが倒さないとそれは自動的には戻らないよ」
紘太「何!?俺達はずっとこのままなのかっ!?」
ウケイエローはショックを受けてしまいます。

朱史「衣装ならそれぞれ相手に脱がせてもらえばいいんですよ」
にっこり笑ってウケグリーンの肩を抱いた朱史君が言った言葉に、ウケレンジャーは固まります。
瞬「…え?」
朱史「ウケレンジャーとセメレンジャーは対になってるんです、どちらかの衣装が自動的に戻らなかった場合には、対になる相手に脱がせてもらえば元に戻りますよ」
つまりどっちかが先に倒してしまえば、残った方は相手に服を脱がせてもらわねばならないのです。
脱がせるのも脱がされるのも、セメレンジャーにとっては非常に美味しいシチュエーションですが、ウケレンジャーにとってはどちらにしろ身の危険を感じます。

朱史「と、いうことで、さあ瞬、行きましょうか」
瞬「え、え、ちょ、ひいいいいいいぃ!」
既に腰や太ももを撫でまわされているウケグリーンはすごくいい笑顔の朱史君に連れられて帰って行きました。
名護「じゃ、帰るか」
松川「ちょ、なんで名護君もそんなに良い笑顔なの!?」
名護「いや、学ランって見えないから逆にいいよな」
松川「何が!?何の話!?」
引きつった顔のウケブルーも笑顔の名護君が連れ帰りました。

キース「じゃあ紘太、愛の巣に帰ろうか!」
紘太「この格好かこいつに脱がされるかの二択!?酷過ぎる!」
キース「ねね、学ランの上だけで一回していい?あ、でもいろんな体位で…」
紘太「お前はちょっと黙れえええええ!!」
危ない発言をする口をふさいだウケイエローは嬉しそうなキース君に連れられて行きます。
千秋「和希…」
和希「うわ、歩きにくいだろ」
ウケブラックは本編の分もというように背中から抱き込んでくる千秋君と一緒に帰って行きます。

東「それじゃ古川、帰ろうか」
古川「うん!でもごめんな、脱がせてもらわないとだなんて…」
東「いいよ、むしろこれを機会に…」
古川「え?何か言った?」
まだまだ鈍いウケレッドににっこり笑って東君は手を引いて帰って行きます。

「や、やばい美形×平凡来たコレ!!」
スケッチブックを取り返してもらった女性は興奮して彼らが帰って行くのを見ています。どうやら彼女は腐女子だったようです。
スケッチブックには男子の絡みがたくさん書いてあります。
だからあんなに焦っていたんですね。

なにはともあれ、どうやらこの街の平和は無事に(ウケレンジャーはある意味犠牲になりましたが)守られました。
彼らは今後もこの街を守り続けてくれるでしょう。
それゆけ!BL戦隊!




101007
10000hitありがとうございました!
ついこの間5000hitだったのに、もう10000hitとは驚きました
とりあえずアンケートで人気だったシリーズの8人と、コメント等が多かった月見の2人でギャグ戦隊物です
書いてる本人が一番楽しんだかもしれません(笑)
それでは拙い文章ですが、これからも楽しんで頂けると嬉しいです