第四章 組分け帽子 新入生たちも小声で騒ぎ出した。マクゴナガル教授は長い羊皮紙の巻紙を前に進み出た。 「ABC順に名前を呼ばれたら、帽子をかぶって椅子に座り、組分けを受けて下さい」 「アボット、ハンナ」 「ハッフルパフ!」 こうして組分けは始まった。 「ボーンズ、スーザン」 「ハッフルパフ!」 「ブート、テリー」 「レイブンクロー!」 ブロックルハースト、マンディ――レイブンクロー――ブラウン、ラベンダー――グリフィンドール・・・―――彼女が初めてグリフィンドールに組分けされた。 ブルストロード、ミリセントはスリザリンに決まった。彼女が決まった時、ギルバートの隣にいるリヒトが「うぇっ」と舌を出して、嫌そうな顔をした。その後、すぐにリヒトの名前が呼ばれ、スリザリンに決まった時にはさらにいやそうに顔を歪めていた。 ギルバートはジャンと顔を見合わせて思わず笑った。 フィンチ―フレッチリー、ジャスティンがハッフルパフに決まり、フィネガン、シェーマスが丸々一分かけてグリフィンドールに決まると次はジャンが呼ばれた。「レイブンクローで待っています」と彼は小さく笑い、前へと進んだ。すでに決まっているような物言いにギルバートは苦笑した。 汽車で会った少女―――ハーマイオニ―・グレンジャーだ―――が呼ばれグリフィンドールに決まった。視界の端で赤毛の少年―――のっぽでそばかすだらけなことからウィーズリー少年だろう―――が苦虫を噛み潰したような顔をしてうめいた。マルフォイはスリザリンに決まった。 「ムーン」・・・「ノット」・・・「パーキンソン」・・・、双子の「パチル」姉妹・・・「パークス、サリー−アン」・・・そして、ついに―――。 「ポッター・ギルバート」 呼ばれた名に、内心ほくそ笑んだ。視界の隅で、一人の少女が息をのんだのが見えたからだ。彼女が“レプリカ”なのであろう。 それまでざわついていた大広間は雫一滴落としただけでも響いてしまうほど、静まり返った。そして、すぐに騒ぎ出すのだ。もしかしたら、汽車の中での出来事を知る数人が覚えていたのかもしれない。 ← |