第四章 組分け帽子



四本足の丸椅子には魔法使いの被るとんがり帽子が置かれた。つぎはぎだらけで、小汚い。広間は水を打ったように静まり返った。すると、帽子がピクピクと動き出した。つばの縁の破れ目が、まるで口のように開いて、帽子が歌いだした。



私は綺麗じゃないけれど
人は見かけによらぬもの
私をしのぐ賢い帽子
あるなら私は身を引こう
山高帽は真っ黒だ
シルクハットはすらりと高い
私はホグワーツの組分け帽子
彼らの上を行くこの私
君の頭に隠れたものを
組分け帽子はお見通し
かぶれば君に教えよう
君が行くべき寮の名を

グリフィンドールに行くならば
勇気あるものが住まう寮
勇猛果敢な騎士道精神で
ほかとうはちがうグリフィンドール

ハッフルパフに行くならば
君は正しく忠実で
忍耐強く真実で
苦労を苦労と思わない

古き賢きレイブンクロー
君に意欲があるならば
機知と学びの友人を
ここで必ず得るだろう

スリザリンではもしかして
君はまことの友を得る
どんな手段を使っても
目的遂げる狡猾さ

かぶってごらん!恐れずに!
興奮せずに、お任せを!
君を私の手にゆだね
(私は手なんかないけれど)
だって私は考える帽子!



歌が終わると広間にいた全員が拍手喝采をした。四つのテーブルそれぞれお辞儀して、帽子は元のように静かになった。




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