暮れていく太陽を窓辺の席に座りながらなんでか知らないけど僕の前の席に座っている平助と眺めていた。まだ5時前だっていうのに教室の中は暗くなっていて僕たちが眺めている太陽がすごく眩しい。眩しいけど、目はそらさなかった。


「千鶴遅ぇな」
「あれ、平助も千鶴ちゃんを待ってたの?」
「………………わりぃかよ」
「別に。全然?」
「嘘をつくな嘘を顔怖ぇって」


どうやら平助も僕と同じ理由でここにいるらしい。思わず平助を見てしまった。しかも聞いてもいないのに言ってきて返事をしてあげたら文句言うんだから平助はめんどくさい。せっかく千鶴ちゃんを待つという楽しい時間だったのに。はーぁ、とわざとらしくため息をついてじゃあどうしてここにいるの、と聞いてあげた。そしたら僕が暇だと思ったからだって。勘違いも甚だしい。千鶴ちゃんを待つのが暇なわけないじゃないか。バカなんじゃないの、平助って。そう口にしたら、平助はそれっきり喋らなくなった。元々話すためにいると思ってないから気にしないけどね。

こんなちょっとの会話の間に太陽は姿を消していた。そこには光の名残があるだけで。そろそろ電気をつけないといけないなぁって思う。でもスイッチのところまでいくのは面倒だから、平助がいってくれないかなと期待。もちろん平助は気づくはずもなかった。僕も座ったまんまだし、平助も座ったまんま。ついに教室が真っ暗になってもそのままだった。そして会話もないまま。まるでここに誰もいないようになった。僕も平助もいない。そんな感じ。なんてこと思っていたらようやく千鶴ちゃんがきた。


「…あれ?沖田先輩と平助くん?」
「遅かったね千鶴ちゃん」
「遅ぇよ千鶴!」


やっと二人、口を開いたら同じ言葉。何、気持ち悪いんだけどと言おうと平助の方を見たらすんごい嫌そうな顔をしていて。僕もきっと同じような顔をしてるんだなと思えた。それがまた、気持ち悪かった。


「ふふ、仲いいんですね」


しかも千鶴ちゃんにもそんなことを言われて、むしゃくしゃしたから平助を殴ってやった。平助は何すんだよときゃんきゃん言ってるけど知らない。そのまま、さ、帰ろうと千鶴ちゃんの背中を平助を殴った手で押した。平助のバカと待ってる間に冷えたのかな。すごく千鶴ちゃんの背中があったかく感じた。



メチレンブルー



メチレンブルーはすっごく簡単にいうと、酸化すると無色から青色になる(逆にいえば還元すると青色から無色になる)液体のことです。酸素(君)がいないと色を持てない(存在できない)よ、酸素(君)がいるから色を持てる(存在している)よ、みたいな。いつかサイト名に使いたい言葉です。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -