嫉妬と上履き







 「ねー真広ーッ!」




 …さっきから女の子が真広にちょっかいばかりしている。
誰だろう…。
初めて見る。






 「ねぇジュースおごってよぉ」





 語尾にハートが付きそうなくらい可愛い声だ。
イライラする。
 あ、今肩触った。



 満更でもなさそうな真広。
なんとなく、そこは嫌がってほしかった。




 「ねぇ真広ってばぁ」




 うわ、腕に胸を当てだしたよこの女。だいたいなんで真広があんたに奢るのよ。
遠慮とかしないわけ?
あぁ、もうッ!!





 「だめだ、イライラする…」





―ガラッ





 このままじゃイライラしすぎて壊れちゃいそうなので外の空気を吸いに屋上に行くことに…。
したかったが、なんとなく昇降口に行くことにした。







 後ろ気にしてる自分に嫌気がした。
なに期待してるんだろ…。
真広が追っかけてくるとでも?





 自惚れんな自分。





 あぁだめ。
イライラが収まらない。





―ガンッ





 上履きを壁に思いっきり投げた。
ちょっとスッキリしてちょっと罪悪感が生まれた。






 あの日からだ。





 愛之助くんと話してからあたしと真広の関係は





 幼なじみからずれはじめた。







 少し欲張りになった。
真広を自分だけのものにしたい。







ねぇこれって嫉妬?





(上履き汚れた…。)




 

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