恋愛相談相手






 屋上。
春だけどそれでも寒い。
下を見ると隣のクラスの愛之助くんがいた。
彩斗ちゃんと一緒にいる。





 「恋愛かぁ…」





 前より愛之助くんは明るくなった気がする。
でも女の子たちが黙ってないんだろうな。
だって愛之助くんはモテモテだもん。





 「モテモテか…」





 ちょっとだけ、彩斗ちゃんの気持ちがわかるような気がしてきた。




…あぁ、また自惚れた。
いくらあたしが真広の幼なじみだからって。





 もし、幼なじみじゃなかったら…。
真広になんか近づけなかったんじゃないかな。




 「由衣ちゃん、だよね?」





 「!」





 そこにはさっきまで昇降口にいた愛之助くんだった。
野球のユニフォームを着ていた。






 「なんか悩んでた?」




 「そんなこと、ない…かな…?」





 わからない。






 「あはぁ、俺に聞かれても…あ、真広のことかな?」





 「そう、かも…」




 「そっかぁ」




 と笑いながら隣にきて腰かける。
誰かが片付けわすれたボールをくるくるまわす。





 「真広にとって由衣ちゃんは特別だからそんなに曇った顔してると心配しちゃうよ?」





 特別、かぁ…。
それは幼なじみだから?
あぁ、何期待してんだろ。





 「ほらまたそんな顔してぇ」





 と、顔を覗かせる。
野球の帽子をあたしに無理矢理被せる。





 「俺、特別な子ができたんだ!」




 「彩斗ちゃん?」




 キョトンとする。




 「あれ、わかっちゃった?」




 「公開告白したんでしょう?」




 恥ずかしそうに頭をかく。
腕で顔を隠しながら話し出す。






 「本気の恋なんだぁ…俺、こんな気持ち初めてだったからやっぱ戸惑うよね///」





 恋バナは、ニヤニヤしちゃう。
男の子となんて初めてでドキドキしちゃう。





 「由衣ちゃんだって、近すぎて気付かないだけだよ」




 なにを…?





 「由衣ちゃんが気付きたくないだけかな?」




 「だから、なんのこと?」





 「真広のこと」







 聞きたくなくて、聞きたかったこと。





(もう気付いているかもしれない。)




 

  back

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -