先輩に嫉妬?
「真広ーっ!!」
昼休み、後ろのドアから声がする。
「誰ー?」
とお弁当を食べながら真広に聞く。
真広は口の中をモゴモゴさせながらしゃべる。
「しぇんはいはお」
「先輩だよ?って??」
なぜ理解できたかは自分でもわからなかった。
しかしうなずいているので正解と判断はできた。
「真広ー?いねェーの?」
「はいはい」
とすべてを飲み込みダルそうに手をあげる。
気づいた先輩はこっちに歩いてきた。
きっと部活の先輩なんだろうな。
真広はバスケ部に入部している。
「真広、今日は部活なしになったってさ!」
「おーマジっスかァなんでですか?」
あ、あんま興味ない時の声になっている。
なんとなく声のトーンが下がってわかりやすい。
「さァな?部長に聞いてみな」
「いやですよ、まぁどうせ彼女となんかあったとかですよね」
「そうゆうお前も彼女とお昼ご飯かよ?」
まぁ、そりゃあ勘違いするわな。
こんなに一緒に行動してれば付き合っていてもおかしくないな。
だから女の子が怒るんだ。
「まぁ、そんなところです」
ブッ…。
「否定しないのッ!!?」
ビックリしすぎて思わず突っ込んでしまう。
「いや、説明するのだりィじゃん?」
だるいって;;
「ん?彼女じゃないの?てか由衣ちゃんじゃん」
「へ?」
なんで名前知っているの!?
「なに、知り合い?」
あ、ちょっと興味ある声になった。
じゃなくて!!あたしは知らないよ?
「あぁ、俺が一方的に知ってるだけ!」
「な、なぜ…;」
先輩さんがヘラヘラ笑いながらあたしの肩をたたく。
「俺は萩原 勇気(ハギワラ ユウキ)まぁ、勇気先輩とでも呼んでくれ!」
「勇気先輩?」
「…」
あれ?呼んだのにボーっとこっちを見ている。
「先輩!」
もっかい呼ぼうとしたら真広が呼んだ。
「んあ!?あぁ、悪ィ悪ィ!」
またヘラヘラと笑い出す勇気先輩。
なんだ…??
「先輩、ちょっといいっスか?」
「ん?おぉ??」
と、二人で廊下に出て行ってしまった。
残されたあたしはボーっと周りを見る。
あ、隣のクラスの愛乃助くんがきてる。
少しだけ話したことがある。
最近は愛乃助くんのうわさも結構ある。
隣のクラスの誰かに公開告白したらしい。
それからめちゃくちゃ積極的になったらしい。
「ただいま」
「おかえり」
(何話してたの?)
(内緒)
(ふぅん?)
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