知りませんでした
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「今日もねー、泉くんにフラれたぁ」


「飽きないねぇ」


「でもフる時もカッコイイんだぁ」




 今日あったことを文貴に全て話す。
全て聞いてくれる文貴が大好きだ。





「でも田島くんがさぁ…」


「あはは、田島も一途だねぇ」


「あー、文貴は癒しだよー」(ギュー)





 あったかい…。





「熊谷ちゃん…///(胸、胸!!!)」


「文貴は私の味方だー、どっかのタレ目くんとは違うね!」


「誰がタレ目だって?」





 …その声は阿部隆也様ですね?
この人も怖い。
タレ目で睨んでくる。





「ふ、文貴ー…」


「えぇ、俺も阿部怖いよー…」


「お前ら俺をなんだと思ってる!あみ、逃げんな」






 スルリと廊下に出ようとしたら腕を捕まれた。
阿部サン怖ーい。





「阿部様、私教室に戻らなきゃ…」


「まだいいだろう?」


「…(また始まったよ、阿部の熊谷ちゃんいじめ)」





 ううううぅ(泣)
阿部さま怖いよぉ…。
田島くんとは違った怖さだよね。





「れ、れんれんーーー!!!」


「あ、コラ待て!」





 廊下に出て9組の天使、れんれんの元に走り行くが阿部様も全力で追いかけてきてる!?
ああああ文貴に癒してもらおうとしたのにぃぃぃ!!!





「阿部様、付いてこないでェ!!!」


「うるせェ!!!お前も廊下は走るな!!!!」





 なんで今正論を言うんだぁあ!!
よし、9組まであとちょっと…あッッ!!?
あれは…田島くんじゃないか…。





「ンなんで泉くんじゃないのぉ!!!」


「おっあみ!!!」


「田島くーん!阿部様がぁ!!」


「へ、阿部?」





 田島くんの後ろに隠れて後方を確認。
鬼みたいな顔して走ってくるタレ目様がこっちに全速力で向かってくる。





「うぅ…阿部様、怖っ」





 田島くんのセーターをつかむ。
ふふ、これで阿部様にいじめられても田島くんも一緒だ。





「あみ…///(頼られてるーーーー!!!)」


「たあぁぁじまぁあぁあぁあああ!!どけえぇぇええぇえ」


「あみは守る!!!」





―ガッ





「何やってんだお前ら」





 泉くんが9組から出てきて阿部くんの足を引っ掛けた。
よろけた阿部くんは田島くんの上に倒れた。
さすがにセーターから手を離しましたよ。






「い、泉くんが助けてくれた!!」


「助けたわけじゃねェよ、偶然だし」


「急いで廊下出てったくせに」(ニヤニヤ)


「うるせー浜田のくせに」


「えへへ、泉くんやっぱり大好きだぁ」


「うっせ///」





 倒れている二人に近づく。
お、怒ってるかな…?





「あの、田島くん、阿部様…大丈夫?」


「手」


「は、はい」





 阿部様は無事のようだ。
田島くんは一人で立ち上がり私の肩をつかんでいた。





「あみ、いつでも俺頼っていいんだからな!!」


「え、え?」


「俺、ゲンミツに守るから!」


「…ん///」





 あ、あれ?あれれ??
田島くんって、こんなにかっこよかったっけ?
そして田島くんは泉くんと浜ちゃんを追いかけていった。








知りませんでした
(あみ、自販機まで付き合え)
(え、はい?)
(いいから来い)
(うぅ…つかまったぁ)
(お前田島にさ)
(へ…?)
(いや、なんでもねェ)





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よし、泉かっこいい。
田島かっこいい。
阿部様ごめんなさい。

泉くんはあみちゃんの声聞いて全速力で助けに行きました(´∀`*)
阿部くん、田島にドッキリしたあみちゃんに気づいちゃったね(笑)
さて…現在あみちゃんは田島・阿部に狙われてますネ。
しかし泉くんかっこいいなぁ




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