単純馬鹿な君を
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『泉くんちゃんと起きてるー?』





 古典の授業中あみからメールがきた。




『起きてる、うるせぇ』





 さっきから田島とヒソヒソと話していてめちゃくちゃ耳に入る。
あいつらは隣に座っちゃだめだろ。





『れんれん見て』





 なんだ、三橋?
後ろの席にいる三橋を見る。





「ぶふっ」




 思わず吹いた。
半目wwww顔wwwwww
その後チャイムが鳴り、俺はため息をついた。





「泉くん笑ったね!」


「さすが泉!!!」





 馬鹿二人がケタケタ笑っている。





「ね、泉くん!笑った顔もかっこいいね!!」


「!」





 急に机に顔だけが現れたのでドキッとした。
しばらくコイツの顔をガン見。
それに気づくとにへ〜って情けない笑顔を作った。





―ドキドキ





 なんだ?





「あれ、泉くんちょっと顔赤いよ?風邪!?」


「…いや、全然大丈夫だ」


「そう…?体調管理は大事だからね!!」


「おー」





 ガッツポーズをつくるあみはいつもと変わらない馬鹿っぽさだ。
なのに、なんだ?





―ドキドキドキ





「泉くんは西浦野球部に必要な存在なんだから!!」


「なんだよそれ…」





 意味わかんねーことしか言ってねーのに。
笑うコイツを直視できなかった。





「あ、でも風邪ひいたらあたしが全力で暖めてあげるね!!」





 もしかして…。
俺、あみを好きになっちゃった…?!





「いっずみーん、返事してよー」


「…プッ」


「?」


「お前に看病されたら余計悪化すんだろ」





 なんだよ、結局好きになっちゃったじゃん。






でもまだこの馬鹿には言ってやんねー。





(大丈夫だよ、看病上手だよ!)
(いいよ)
(なんで(泣))
(お前にうつるだろ)
(///!!)



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