待ちうけ決定
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「梓ちゃん、眼鏡かしてー!」


「お前よく7組いるなー…何につかうの?」


「ちょっと見たいものがあってね…」





 梓ちゃんの頭に疑問符が浮かびつつ眼鏡を受け取る。
そして左の人差し指と親指の間に挟まったアリをみる。





「ふむふむ、アリってこう見るとキモいんだなー…」


「だろうーなー…あと虫眼鏡使え」


「だって虫眼鏡ないんだよー!!あ、文貴ー!!」


「あ、おい眼鏡!!!」





 文貴と栄口くんが廊下で話していた。
背中にどーんと抱きつく。





「わぁっ熊谷ちゃんかーびっくりしたー!」


「えへへー、見て!アリみっけた!!」


「なんかちょいでかくない?」





 じーっとアリをガン見する文貴。
アリがうにゃうにゃしてる。





「あみちゃんは虫平気なんだ?」


「わりと平気かな?」


「へぇ」





―カシャッ





 えーと…。





「なんで写メった!!???」


「いや待ちうけ変えたいなーと思って」


「待ちうけにするの??!!!」


「うん」


「もうちょっと…こう"取るよー!"とか言わない?」


「自然なあみちゃんがいいなと思って」


「…もうちょっと可愛い顔にしたかったなー」


「熊谷ちゃんいつでも可愛いよー」


「文貴に言われると和むなー」





 ニコニコしてる文貴は可愛いなぁ、癒し…。
栄口くんはケータイを操作してる。





―カシャ




「なんでまた撮った?」


「いや水谷もあみちゃんも仲いいからさー」


「えぇ?!俺も撮ったの?!」


「阿部と泉と田島に送った」


「「なんで!!???」」


「面白そうだから?」






 ヘラッと笑った栄口くん。
こわッッ!!!
てか泉きゅんに見られちゃうの!!???
これじゃまるで浮気じゃないか!!!





―バァンッッ





 7組のドアが勢いよく開く。
阿部くんだった。





「ようクソレフト、ちょっと話があるんだがよォ…」


「あ、阿部、目こわっ!!」


「水谷ずりーぞー!!俺も混ぜろー!!」


「田島まできたアアア」





 あ、逃げちゃった。
残った私と栄口くん。





「栄口くんって黒いね」


「いやぁ、二人きりになりたくてね」


「おーう、なんだよ急にー///」


「あみは不意打ちに弱いもんね」


「ばかやろー…///」





 栄口くんは二人きりになると名前呼び捨てになるのか…?





「あ、そうだ、あたしも栄口くんとの写メほしーから撮ろーよ!」


「いーよ」





 ササッとケータイを出して栄口くんに近づく。






「むー身長差がー!!」


「じゃあこうする?」





―ぎゅうっ
※ここ廊下です。





「カレカノか!!!」





 抱き上げてきた。
いやいやいやいや///??!!!





「ほらほら撮って撮って」


「うーん///いくよー?」


「はいはーい」





―ピロリーン





 確認するがやはり近いなぁ///





「それ、送ってよー」


「うーやっぱ恥ずかしいなぁ!!」


「いーからいーから」







待ち受け決定♪
(これ誰に見せようかなー)
(えぇ見せるの?!)
(泉とか?)
(だめだめだめっ!!!)
(どうしよっかな)
(意地悪だー;;)


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栄口くんマジ迷子…。
すいません、みんなで自撮りするときいつも大変だったんですが
スマホのインカメ最高ですなー…ゲンミツにほしい。




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