早弁の子には優しくね
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「唐揚げうまいっ!!」





 今日のお弁当はエビフライが2本も入っていて超豪華!!!





「はぁー幸せぇ」


「おい、なんでまだ2時限目終わったばかりで食ってんだよ」

「そもそもなんで7組にいんだよ」






 阿部様と梓ちゃんに囲まれながらむしゃむしゃ弁当を食べる。





「質問の多い連中だなぁ、水谷と一緒に食べる約束したのよ!」



「水谷は爆睡中だが?」



「う゛っ…暇だったから…」



「あ?泉は?」



「泉きゅんも寝ちゃってたんだよー!!野球部も浜田でさえ!!」



「あー…昨日の練習きつかったもんな、楽しかったけど」



「三橋体重減ってねぇだろなぁ…?」





 梓ちゃんと阿部様も遠い目をしていた。
エビフライ…うまっ!!





「…うまそうだな」



「阿部様も食べれば?自分の弁当」



「やだ、くれ」



「んー…」(チラッ)






 阿部様を見ると真剣に私の弁当を見ていた。
う、ここはエビフライをあげたほうがいいのか?
いやでもタコさんウインナーと玉子焼きは私が作って相変わらずまずいし…。





「は、白米でも食べる?」



「いや普通おかずじゃねーのか!」



「だよね、何がいい?」



「お前が作ってないやつ」





 はいピンポイントでエビフライー。





「え、エビフラ…」


「おい阿部、エビフライはとってやるなよ、泣きそうだぞ」



「梓ちゃ、阿部様がぁー…」



「あーもう、わかったよ、お前が作ったやつ食いたい」





 よし、ならしょっぱい玉子焼きあげよ。
プスッと箸に指して阿部様の口元に近づける。





「はい、あーん」



「「(あーんだと///?!)」」



「(どうする?!素直に食べていいのか?!よく考えたら自分で弁当作ったとかスゲーな)」



「(阿部あーんすんのかな?ちょっと羨ましいな、いやあみだからじゃなく女の子からあーんは普通に羨ましいな)」



「阿部様ー?食べないの?(チッ美味しくないことがバレたか?!)」



「く、食うよ」





 恥ずかしそうに食べた阿部様。
どうだ!!?
吐くなよ?!





「!!!(しょっぱっ!!まっず!!!!!)」





「あ、阿部様…?」



「…」(ゴクッ)





 やばい、阿部様が何も言わないとは…。
余りの不味さになんも言えねェってか!?





―ポンポン





「へ?」





 阿部様が苦しそうに頭を撫でて笑った。





「うまいよ、さんきゅ」





―ドキッ





 あ、れ?
阿部様が、フォローしてくれた…?
なんだか緊張する。
だから、隠すために玉子焼きをもう一つ食べる。





「いや普通にまずいじゃん(笑)」



「テメェ人の苦労を…」



「でもありがとう、阿部くん!」



「…!(阿部様から阿部くんになった)」





▼阿部さm、じゃなくって阿部くんは案外優しいことがわかった!





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▼セーブしませんでした。








早弁の子には優しくね

(おい早弁女、次移動教室)
(泉きゅんっ!!)
(うるせー、阿部、花井、世話になったな)
(保護者か)
(保護者か)
(泉きゅんかっこいい///)






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阿部くんをフルボッコじゃ可哀想かと思ってやった。
後悔はしていない。





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