屋上の罠
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 あー、あっちぃ…。





―パタパタ





 さっきから下敷きで俺をあおいでくれているあみ。
なんだか俺がパシッてるみてェ。






「なぁ、お前暑くねぇの?」


「へ?暑いけど泉くんのためならっ!!」


「…あっそ」






 なんで、お前は俺が好きなんだよ。
なんかこんなに告白されてると素直にOKすらだせない。
いやOKする気ないけど。
なんて思ってたら三橋がチョロチョロ歩いてきた。





「あみちゃ、飴、たべる?」


「わぁ、れんれんくれるの?」


「う、ん…栄口くんが…くれるっ、て」


「なんで栄口くんが?」


「わ、かんない…屋上まで、おいでっ、て…」


「わかったぁ、ありがとうれんれん!」






 なんか怪しくね?
なんでわざわざ飴だけのために呼び出し?
意味わかんねーよ。





「行くのか?」


「うん、飴ほしーし!」


「…」


「泉くん、妬いてる?」


「違ェほら早く行ってこい」





 「チェ」とか舌打ちをしながら教室を出ていくあみ。





「なぁ三橋、なんで栄口わざわざお前に頼んだんだ?」


「わ、かんない…なん、か怖かった…」


「?」


「なんのはーなしっ?」





 田島が勢いよく乱入。
つーか三橋の言う怖かったってなんだよ?
あの栄口が怖い??





「さ、栄口く、んがあみちゃん、を呼び、だし」


「何?!そりゃゲンミツに告白だろ!!!」


「う、告白?」


「こうしちゃいれねェ!!泉、三橋屋上までいくぞっ!!!」


「なんで俺まで」


「いいから来いって!!」


「ハァ…」





 別にアイツが栄口と付き合おうがどうでもいいじゃねェか。
いや田島からしたらどうでもよくないか。
つか何故三橋はキラキラしてんだよ。






「あれ、阿部?」


「あ?静かにしろ!!」


「あみは?」


「今上だ、いつ乗り込むか…」


「今すぐだろゲンミツに!!!」





 こいつらが二人協力したら最強の変態になるな。
栄口(泣)









屋上の罠
(よし、乗り込むか)
(あ、う…栄口く…)
(飴でつられたアイツにも問題あるだろ)
(馬鹿そこが可愛いんだよ)





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栄口くん、好きだよ!!
君、絶対Sだよね(笑)
天使の笑顔の裏には悪魔の顔がぁ!!!!!







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