ぐちゃぐちゃの甘い夏

「その弱気、どうにかしなきゃマウンド登らせないからね!!」




 「こいつのウジウジが直るわけェだろ!ピッチャーやめろってェのと同じだ!!」





 グラウンドに行くと百枝監督と青いニット帽をかぶった坊主の人が怒鳴っていた。
(確か9組の)三橋君が前のめりになっている。
三橋君に近づき支える。
あぁーあ、泣いちゃってる…。




 「大丈夫?三橋君…立てる?はいこれで涙拭いて」




 「あっありが、と」 




 ハンカチを差し出すと震えながらも受け取ってくれた。
背中をさすってあげる。




 「うんっ怪我ない?三橋君は、これからココのエースになる選手だから怪我なんかしちゃまずいもんねっ」




 「うっ…"ココのエース"…」





 と、つぶやいて下を向く三橋くん。
プレッシャーあたえちゃったかな?





 「恋、遅かったな」




 「あー…浜ちゃん先輩と話してたの」




 「浜田!?」




 泉くんが反応。
なーぜ?
なんて思ってたら百枝監督がアマナツを握っていた。




―ぶしゃぁあぁっ






 …え?!





 「私は本気っ!エースになりたいのなら性格くらい変えて見せてよ!!」





 百枝監督がぐしゃぐしゃになったアマナツを片手に素敵な笑顔を見せる。




あれぇ、今監督"手"でアマナツ潰したヨネ?
あれぇ、女の人だよね?
あれぇ、片手だったよねぇ?
あれぇ、みんな固まってる?
あれぇ、あれぇ、あれぇええぇぇえぇええぇぇ??





 とりあえず、本日の部活は終わった。
女性は、アマナツを握りつぶせたらぼいんになるのだ!





 「どうしたの?三橋くん」




 「あ、あの、こっこれ!!あっあ、りが、とう///」




 ハンカチを差し出してくれた。
可愛いなぁなでなでなでなでなでなでなで。



 「でもなんで叩かれてたの?」




 「おっ俺が、わ、るいかっら…」




 「ん?どーゆーこ…(あぁ、これ以上聞くとまた泣いちゃうかな?)いや、やっぱいーや。頑張ろうね、エースの三橋君っ☆」





 「う、うひっ///」





あー笑ってくれてよかった、
顔も赤くしちゃってぇ可愛いなー





【そのころ花井くんと栄口くんは】




 「マネジの前で怒鳴っちゃった…」




 「あぁ、大丈夫だと思うよ?」



 「怖がられたかな?!」



 「気にしてないんじゃない?」



 「うーん…、それもそれで…」



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