体育館。 さっき結ってもらったポニーテールのせいか人目置かれた。 体育館に入った瞬間シンとなった。
「あ、彩斗ちゃーんッ!!今日は選択種目だって、一緒にバスケしよー!!」
静けさを壊したのはやっぱり柊くんだった。 ボールを弾ませて走ってきた。 野球部のくせにうまいな…。
「僕は運動が苦手だからな…バスケなんて…」
「だいじょーぶッ!!俺が付きっきりで教えてあげるから」
ニィっと笑う柊くん。 ふっ愉快な奴め。
「おい、愛之助ーサッカーやろーぜッ!!」
と一人の少年が駆け寄ってきた。
「だめッ!!今日はバスケな気分ッ!!」
「…僕、サッカーにしようかな…」
グランドの端に立ってるだけ。 どうせパスなんて回ってこない。
「あ、じゃ俺もサッカーな気分」
「てんめー、愛之助ぇッ!!」
コロッと変わった柊くんにツッコむ誰か。
「あ、これ俺の友達2号!朝宮 夢希(アサミヤ ユメキ)くんだよ」
夢希?! なんかすごい名前だ…。
「2号ってなんだよッ?!」
「1号は真広、んで2号が桜木 夢希…そう、君なんだよぉ」
柊くんが指をさす。 あ、イラッとしてるな夢希くん。
そういや藍川くんか。 由衣ちゃんとはうまくいってるのだろうか。
「よろしく…、んと、戸宮だっけ」
「あぁ、よろしくお願いいたします、夢希くん」
あ、名前呼びしてしまった! 今から訂正するか? いや、次呼ぶときに直せばいいか…。
「うんうん…ってちょっと待って、今名前で呼んだよね彩斗ちゃん、どうゆうこと?」
う゛… いやなとこにつっこむな…。
「てめえみたいに変なあだ名つけないから俺はいいよッ」
「あだ名?」
「夢ちゃんっ」
「呼ぶな、馬鹿ッ!!」
夢ちゃん…。 夢希だからか…。
「可愛いじゃないか」
「男に可愛いは必要ねーだろッ!!」
あ、必死。 柊くんは可愛いって言われたら喜びそうだけどな。 愉快な頭をしてるからな。
「夢ちゃん…いいな」
「でっしょー?俺も気に入ってるんだぁ」
えっへへと笑う柊くん。 髪の毛がふわふわしている。
先生に集合かけられる。 授業開始だ。
(夢ちゃん、か…) (戸宮まで夢ちゃん言うなぁッ!!) (むっ、そこ!イチャイチャしないのぉ) (誰がイチャイチャなど?!)
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