―キーンコーンカーンコーン




 朝。
また今日が始まった。
学校は嫌いだ。
クラスの人々は僕の存在を知らないかのように毎日を過ごす。
要するに、無視。





 「彩斗ちゃんー!!おっはよー」




 そう、約一名を覗いて。





 「今日も可愛いなぁ!太ももに指突っ込んでいい?!」



 お前は変態なのか?!!
この騒がしい変態は隣の席の柊 愛之助(ヒイラギ アイノスケ)だ。



 「おはよう柊君、今日も変態だな。」



 冷たく振る舞う。
僕はいつもこうだ。
そうして友達なんてものは出来るはずもなく今日までやってきた。



 しかしある日僕は出会ってしまった。
この変態に。




 柊君とは席替えで初めて会話した。
いや、一方的なおしゃべりだった。
会話のキャッチボールが出来ていなかった。




 みんなに好かれる柊君はいつも明るくスポーツ万能らしい。
そんなクラスの中心的存在の柊君は最近やたら絡んでくる。

 「彩斗ちゃんは今日も冷たいなぁ、だがそこがいい!」



 「君はどうして僕につきまとうのだ?」




 疑問だったことを聞いてみた。
周りが静まる。




 「好きだから」




 ざわつく周り。
唖然とする僕。




 「な、なにを言ってるんだ君は?!」




 「えー、聞いてきたくせにぃ」





 「な…ななな///」





 僕はざわつくクラスの中でニコニコ笑う君の隣でただ呆然と立ち尽くす。




Because it loves















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