海についた僕らは着替えて場所をとり、海に入る。
まだ足だけしか水に触れてないが、今まで暑かったのが気持ちよくなる。
この波の感覚。
久しぶりだ、海よ!!




「彩斗ちゃーんっ」





 海を感じている最中、無邪気な声が聞こえる。
次第に足音が近くなる。





「見て、わかめっ!!!」


「ぎゃあっ!!!!」





 もさもさした緑黒い生物をわしづかんで満面の笑みを見せる柊くん。
ワカメなんかきもっ!!





「き、気持ち悪いな…」


「海鼠もいたよ?」
※海鼠=ナマコ


「気持ち悪いっ」


「あはは、そうゆうの苦手?」


「…あんまり好まない」


「…よし彩斗ちゃん、海入ろう!」





 どっからか持ってきた浮き輪をかつぐ。





「君は泳げないのか?」


「いや泳げるよ?」


「何故浮き輪?」


「んー…彩斗ちゃんになんかあったらのためっ」


「それはありがたいな」
「えへへ、用意周到でしょ?」





 僕のことを第一に考えてくれている。
なんだかそれって…
嬉しい、な。





「海は危険だからな」


「そうそう、普段より彩斗ちゃんの綺麗な肌が露出してるから他の男たちの目が…」


「きもい」





―バシャッ





 あまりの気持ち悪さに海水をかける。





「やったなー!」





 バシャバシャとかけてくるので逃げる。
バカップルのようだ。





「逃げらんないよー、捕まえたぁ!」





 ぎゅうっと後ろから抱き着かれた。





「君の足の速さには驚くよ…」


「……」





 返事がないので柊くんの目を見る。
ぼーっとしてる?





「聞いてるのか?」


「…ぅ」


「?」


「み、水着彩斗ちゃん可愛い…///」


「〜〜〜ッ変態ッ//////」


「彩斗ちゃんマジ可愛いっ大好きだああ///」


「うるさいキモイ変態ッッ///!!!!」





(なんでも口にするのやめないか!!)
(彩斗ちゃんにはなんでも伝えたいのーっ)
(馬鹿///!)











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