葵爽
「明日は文化祭だな」





 なんて葵爽が肘をつきながら空を見てぼやいた。





陸乃
「そう、だね?」


葵爽
「なのに…」





 私が返事をするとフッと笑って立ち上がる。





葵爽
「何一つ準備出来てねぇじゃねェかッッッ」



「葵爽うっさい」


葵爽
「え、ごめん」





 なんて良がツッコむ。
いやいやいや!!





陸乃
「葵爽悪くなくない?!」


葵爽
「あ、確かに…陸乃の言う通りだろ!!とにかく準備しろよお前ら!!!」






 "お前ら"とは、恋・良たちのことである。
パン粉と私と葵爽は明日出すタピオカを茹でていた。





パン粉
「おいしそー!」





 パン粉は恋たちが怠けているのにも関わらずタピオカをぐるぐる回していた。






「パン粉ー一口くださいっ」





 恋がパン粉の近くにいき、甘え出す。





パン粉
「はい、あーん」


葵爽
「いやいやあーんじゃねェよ!もう真面目にやってんのが俺と陸乃しかいねェww」






―ガラッ





ケント
「陸乃ちゃんがきーくんに襲われてるってホント?!」


陸乃
「ぎゃあっ」





 なぜか普通にドアから入らずに下の小さなドアから出てきたのがケント。
そしてそのまま後ろに回り込まれ抱きしめられた。
てか襲われてないww





葵爽
「ツッコミどころありすぎるwwはいまず恋と良!マネすんな!!」






 ビクッと二人の肩がゆれる。
下の扉から入るマネをしていた。
いやいやなんでマネすんのww





葵爽
「次にケントは陸乃から即離れろ」


ケント
「拒否権を発動します」


葵爽
「だが断る!!!!」





 あぁもうカオスすぎるww
てゆーか…。




陸乃
「ケント、地味に胸触らないでよー」


ケント
「あれ、バレてた?」





―ガシャーン





ケント
「痛ッッッ」





 えー…え、えー?




風太
「ケント先輩…なに、してるんスか?」





 ふ、風太が突然現れてバケツをケントの後頭部に当てた。





陸乃
「ふ、風太!!危ないからww」


葵爽
「ケントが悪いな」






 とか言っている良くんはバケツの持つところをケントの首に引っ掛けて首を絞めている。





陸乃
「ちょオオォオオォオオ!首、首しめてるから!!もうしまっちゃってるから!!!」



「大丈夫だ陸乃、死にゃしないだろ」


陸乃
「いやいやいやいや!!死ぬから、既に虫の息だよケントォオォオォオ」


葵爽
「良、やめい!」





 葵爽が止めてくれた。
ケントはゼェゼェ言いながら倒れている。





陸乃
「良…あと少しで犯罪を犯すとこだったよ」



「いや風太が悪いから俺は平気だろ」


陸乃
「何平然な顔して"自分悪くないぜ?"みたいな感じにつくろってんの!!????」



 あぁ、良が怖い…。





―ガラッ




リン
「風太ーまだ作業終わってないぞー!」


朱璃
「おじゃましまーす」





 と、風太と同じクラスの朱璃とリンがきた。
リンは風太の袖を引っ張っている。




葵爽
「リンーっ!!」


リン
「きーくーっん!」





 葵爽の妹であるリンは葵爽に頭を撫でてもらっている。
仲いいなぁー…。





陸乃
「…」


葵爽
「陸乃ー?」


陸乃
「…」


葵爽
「?…あぁ」





―ナデナデ





陸乃
「ふぇッ///!!???」





 頭を撫でられた。
顔をあげると葵爽が私を撫でていた。





陸乃
「ななななななななにを///!!!??」


葵爽
「え、いやいや、お前が撫でられたそうな顔だったから…悪ィ(?)」


陸乃
「そ、そんな顔…して、ない…よ///」





 ちょっとドキドキ。
顔をそらして風太たちをみる。
そういえば…




陸乃
「リンたちは文化祭なにやるの?」


リン
「んー白雪姫の劇だよー!」


陸乃
「おー、何役何役?」


リン
「リンは小人E!朱璃は主役の白雪姫っ!」



「へぇ、すげーじゃん朱璃!」


朱璃
「うん///!!」





 少し恥ずかしそうに照れている朱璃。
あ、こりゃ可愛いわ。





リン
「そんで、王子役がじゃじゃーんっ風太です!!」


陸乃
「おー、なんか予想できた結果だぁw」


風太
「俺はやりたくないです…」





 嫌そうに言う風太。






陸乃
「なんで?かっこいいじゃん」


風太
「恥ずかしいじゃないですか…」


陸乃
「大丈夫、応援してるよ!!」


風太
「…見に来てくれますか?」


陸乃
「もちろん♪三人とも頑張ってね!」


リン
「はーい、んじゃあ準備してくるー!!二人とも行こー!」





 見に行く約束をして後輩チームがバタバタと体育館に向かった。
それと入れ替わるようにチープと夕闇が入ってきた。






夕闇
「ケント回収ー」


チープ
「お邪魔してごめんねー陸乃ちゃん、ガム食べる?」


陸乃
「あ、ありがとう」





 チープがガムを差し出してきたため、いただいた。





陸乃
「か、辛ッッッ!!!!!」


チープ
「あはは辛いの好きなんだーペッてする?」


陸乃
「〜〜〜っもったいないからしないっ」


チープ
「無理しちゃだめだよ〜」




 なんてふにゃふにゃ笑うチープくん。
舌がヒリヒリする…。





夕闇
「陸乃ちゃん、なんでケントこんな死にそうなのww?」


陸乃
「えーと…かくかくしかじか」


夕闇
「いや回想始まらないからね?w」





 夕闇につっこまれてしまった…。
さすがに回想なんて無理だったのか…。





チープ
「はいはーいケントくん陸乃ちゃんたちの邪魔しちゃだめだよー」


ケント
「えー俺も陸乃ちゃんと一緒に準備したいー!!」


チープ
「なら俺もしたいしー!!」






 なんかふにゃふにゃコンビが嬉しい(?)ことを言ってくれている。
なんだか照れくさいのでなんにもいわない…///






「いいから帰れ」





 あぁ良そんな冷たい目しないで…w
良と葵爽が三人を追い出してしまった。
なんだかちょっと寂しいなぁ…。


陸乃
「でも泊り込みで準備なんて楽しみだねぇ!」


パン粉
「そうだねー、僕初めてだよー」





 そうなんです!
今日は準備間に合わないんで私たちだけで学校に泊り込んでなんとかします!!
良もなんだか嬉しそうだ。






「ってああぁああぁぁ!!!???」


葵爽
「なんだよ恋、いきなりうるせーな;」





 突然叫びだした恋。
全員肩を揺らして驚く。






「や、やばい…」


パン粉
「なにが?」




 パン粉がくいっと首を傾げる。
何故か良もつられて首を傾ける。





「…と、泊り込み申込書出してない…」



「「「「はぁ!!!????」」」」






 泊り込み申込書とは、学校に泊り込みで作業するためには大事な提出物のこと。
これを17:00までに担任の先生に提出しなければならない。
ちなみに今は18:23である。





陸乃
「ど、どうしようか…」



「いやぁ…マジごめーん」


パン粉
「今からでも提出してみようよ!」



「う…ハル先生だったら怖いかも…」



「俺とパン粉も一緒に行けばヘーキじゃね?」


葵爽
「生徒会パワーってかww」





 そう、良とパン粉は生徒会に所属しています!
まぁ、生徒会長と書記がいけばなんとか許してもらえるだろうw






「生徒会愛してる、さぁ行こうではないか!!」


葵爽
「お前は反省しろ!」





 なんて言って三人は職員室に行ってしまった。
葵爽は机に座り店の飾りつけをし始めた。





葵爽
「なー」


陸乃
「んー?」


葵爽
「なんか、静かだな」


陸乃
「そーだねー、でも他のクラスの声もちょっと聞こえるよね」





 わーわーとかガチャガチャ聞こえる。
ケントとチープの声かな?





葵爽
「楽しいか?」


陸乃
「もちろん!」


葵爽
「そか」


陸乃
「葵爽は?」


葵爽
「俺はー…」





 葵爽を見る。
ひじをついてふいっとそっぽを向く姿が見えた。





葵爽
「めっちゃドキドキしてる」


陸乃
「?」


葵爽
「あのさ」


陸乃
「なーに?」


葵爽
「明日の文化祭の打ち上げの前に、教室きてくんない?」





 …あれ?
このシチュエーションって少女漫画でよく見る、あれ?





―ドキドキ





陸乃
「…りょーかい///」


葵爽
「ん///」







*あとがき*

大変お待たせいたしました!!!
本当にすみませんでした;;;

今回は文化祭前日設定!
けっこう人がいたので楽しかったです!
葵爽落ち…未満になってしまいましたね;;
このあとはご想像にお任せしますorz


では、長らくお待たせしてしまい、本当に申し訳ありませんでした!!!!




明日にはきっと…







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