黄色い奴ら | ナノ

買える訳ねぇ(泣)

 今日は学校だ。




『なー俺らも連れてけ』


「だめ」


『マスターちゅーしてくださいよー』


「断る」


『いーじゃねーかー!!』





 朝から勝手にPCの電源が着いていると思えばお気に入り登録していたKAITO夢のサイトが消され、画像フォルダにはリント、レンだらけになっていた。
そしてそれを死にそうな目で見る私に話しかける二匹の黄色いデータ。





「今日はおとなしくしててね!」


『俺らにできないことがあるとでも!!???』


「ふっふっふ…」





 自身がある。
何故なら。





「PCのコンセントを外しちゃえばいいのよッッ!!!」


『あ、おい!!』


『マスタ〜…!!』


「よし、そろそろ学校だから電源切るよ、ばいばい」





 適当に流す。
コンセントを抜いて学校へ向かう。





「(あの子たち、ちゃんと大人しくしていられるかな…)」 なんて考えていたらいつの間にか時間が過ぎていった。





「向日葵、さっきからぼーっとしてるけどどうかした?」


「んー…」





 友人が話しかけてきた。
前の席にどかっと座り、ニコニコしてる。
この女がニコニコしている時は必ず変な噂を持っている…はず。





「あんたが狙ってた先輩、例の彼女と別れたってよ!」


「マジで?!」





 狙ってた先輩とは、まぁ文字通り好きだった先輩のこと。
かっこいいし優しいし、正直未だに好きだ。
食い付かない訳がない。





「つい最近らしいよ」


「原因は?」


「んな細かいとこまで知らないよ」


「役立たず…」


「殴るよ?」






 そっか、別れたんだ…。





「そっかそっかぁ〜」


「幸せそーね」





 おっと人の不幸を笑ってはいけない。





「その反応ならありゃ嘘か」


「なにが?」「んー、なんか向日葵の噂聞いたからさ」


「ど、どんな…」





 変な噂とかやだなぁ…。
一瞬で冷や汗。





「あんたさ、昨日金髪の男2人くらい家に入れた?」


「っへ?!」





 めちゃくちゃ思い当たりあるんですけど!!
てか見られてたあああ?





「それはないよ、うん!!」


「なんだ、やっぱガセか」


「うんうん!」





 見られてた、見られてたあああ!!!!!
ダッシュで帰宅してパソコンの電源をつける。
あれ、電源つけてどうするんだっけ?





リント
『うおっビビったー、急に電源つけんなよ』


レン
『マスターおかえりなさーい』





 無言。
電源つけてからのことを考えてなかった。
クラスの人に見られたってこの黄色いのたちには関係ない。
…どうしよう。





向日葵
「た、ただいま…」


リント
『なんで息切れてんだ?歳か?』


向日葵
「女子高生なめんなっ!!」


レン
『そうだよ、マスターは帰宅部でバイトもしてなくて体育もさぼっちゃう人なだけだよ!!』





 なんで知ってんだバナナ頭は!!!
案外尖った言葉を放つレンくんはリントくんよりも厄介かもしれない。





レン
『マスターお手伝いするからちゅーしてください!』


向日葵
「えー…」





 ホントに手伝いになんのかなぁ…。リント
『大丈夫だろ、今日はお料理サイト見てたからな!!』


向日葵
「おぉ!!!」





 ちょっと期待できるんじゃない?!





向日葵
「しょうがないなぁ、じゃあ…」





 画面にキスをして二人をだす。
ちゃんと出てきちゃうんだよなーこの子ら…。





リント
「よーし、外だあああ」


向日葵
「叫ぶな!!」


レン
「マスターっ」


向日葵
「くっつくな!!」





 はよ飯つくってくれい!!





リント
「よし、やるかー」





 カチカチとマウスを操作してサイトに飛ぶ。
私はレンくんとリントくんのエプロンを付けてあげる。
腕についてるやつは邪魔(笑)だったのでとってもらった。





向日葵
「で、何作るの?」


リント
「中華」


向日葵
「おぉ!!!どんなどんな?」


レン
「北京ダックとフカヒr「待った」?」





 もちろん待ったをかけたのは私だ。





向日葵
「…北京ダックってなぁに…?」


リント
「なんだよ知らねーのかよ、中華だよ中華!!」


向日葵
「知ってるよ!!」


レン
「じゃあ作りましょうか!」





 この黄色いの…。





向日葵
「…が……よ」


リント
「あ?」





向日葵
「材料がないよぅッッッッ!!!!!!!!!」





(なんだと?!)
(買ってきますか?!)
(買えるか馬鹿ぁ!!!)

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