黄色い奴ら | ナノ

オヤツは1つまで





「なーこの帽子ださくね?」


「マスター手つなぎましょうよー;」






 うるさいなぁ…。
時刻は8:37。
会社帰りの社会人やら塾に向かう中学生がたまぁに通るくらいの田舎道を三人(?)で歩く。
クロッ●スを履きつぶすリントくんに怒りたくなる。
本物は高いんだぞ!!!?????






「うわぁああマスター虫がとんできたぁ;;;;」





 レンくんは可愛いがなんかこう二次元のあざとさがある。
この子は女の子なのか…。
ハッ!!実はリンちゃんなんじゃないか!!???





「レンくんって女の子なの!!???」


「ふぇ?僕つ、ついてるよぉ…///」


「向日葵ー、そうゆーのは家で話せよなー」


「うぅ…;ごめん」





 リントくんに怒られるとは…。





「はい、着いた!はいリントくーん、フライングしない!!約束忘れたの?」


「ッチ…覚えてるよ」





 約束とは、いく前にめんどくさいから約束事をした。
面白いくらい言うことを聞いてくれるんだこのイエローず。





「はい、じゃあ約束言ってみよー」


「めんどいなー!!ひとーつマスターより先に歩かない」


「ふたーつ!マスターは金がないから一人ひとつまでー!」


「みっつー、他の人に迷惑かけなーい」


「よっつー!マスターにベタベタしないー……」





 まぁ、こんな感じです。
きっと子供できたらいいお母さんになれるな、あたし。
はい、ご来店ー。





「おー、コンビニだー!!」


「マスター、マスター、ホントにおでんありますよ!!」


「静かにして(泣)」





 飲み物が並ぶ冷蔵庫の前に行く。
コーラでいいかな?
2gをカゴに入れる。
重い!





「向日葵、持つぞ?」


「え?あぁいいよいいよ重いし」


「なら余計持つよ、ん」





 と、無理矢理カゴを奪う。
なんか、優しい…。
って待てよ?
リントくんがこんな簡単に言うことを聞くわけないし、ましてや人の心配だなんて…。



 チラッとリントくんの持つカゴを見直す。
ん?





「リ〜ン〜トく〜ん?」


「な、なんだよ」


「オヤツは一人一個でしょ!!」





 コーラの下に見えないようにしているチョコやらアメならヨーグルトを見つけた。





「だめだってば!」


「いいじゃん、今日は祝い!!!」


「だーめ!なんの祝いなのさ!!」


「俺らが外に出た祝いだよ!!」


「バカップルか!!!!」





 最近の馬鹿ップルはある喫茶店に行っただけでも記念日になっちゃうようです。
虫酸が走るわッッ!!!





「レンくんもお会計するよー?」





 先ほどから雑誌売り場をうろついているレンくんの背中を引っ張る。
ん?





「レンくん何読んでるの……」


「マスター、これほしい!」





 あれこの子純粋な天使キャラ(14)じゃなかったっけ?!
成人向けのやらしい雑誌読んでるよ?!
しかも今欲しいとか言ったよ?!





「レン…」





 リントくんがレンくんに近づき、肩に手を置く。





「ネットで、見れるだろ?」





 最高のスマイルで、親指を最大に立たせて言うリントくん(14)。
呆然とするあたし(16)。





「没収!!!!!」





 買ったもの
・コーラ
・チョコ
・ジャガ●コ





(マスターけちんぼ!)
(向日葵、ケチケチしてっとしわ増えるぞ?)
(連れてこなきゃよかった泣)

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