黄色い奴ら | ナノ

女の子になれたかな?







ダラダラと歩き近くのショッピングモールについた。
その間友達は誰一人すれ違ってないはず。





「お前さっきからなにしてんの?」





異様なまでにキョロキョロしている私を冷たい目でみてくるリントくん。
いたーい。





「い、いや別に!!早く入ろうか!」


「…おう」





中はまぁまぁ混んでいて黄色いの2人が迷子になる想像はついた。
まずい…。





「2人ともあたしから離れないでねっておいおいおいおいおいおい!!!!」





さっそく近くにあったフルーツジュース屋に食いついている2人。
しかもこちらを見てる。
すっごい見てる。
これはあれだね、おねだりしてるね。





買ってやりましたよ!!高いのに!!!!
涙でそうだわ!!





「マスターも飲む?」


「いーよいーよ」





あぁマイエンジェル。
少ししょんぼりして再びストローに口をつける。
リントくんは他の店をみながらおとなしく座っている。





「なかなかうまかったな!!」


「うん!マスターありがとう!」


「そりゃよかったな…」





笑顔の2人に少しドキドキして、嬉しかった。
そのまま2人のペースについていき、服屋を巡回。





「こっちのが向日葵らしいだろ!」


「こっちのが可愛いもん!!」





着せ替え人形の私は疲れて試着室前の椅子に座って2人の言い合いをながめる。
どっちも似合わないと思うんだけどなー。





「「マスター!!」」





2人の同時呼び。
綺麗に重なってとびっきりの笑顔。
あぁ…これは。





「これ買ってください!!」





ほらな。
カゴいっぱいに入った素敵な服どもを振り回す。
いやいやいや、金がねーよ!!





「か、買えません」


「どうしてですか?!」


「お金がないわ!!厳選して…」





生活費から削りたくないし自分の貯めてきた貯金から出す。
貯金も削りたくねー…。





で、言い争いになりながらも決まった。
絞りに絞って三着になった。
元あった位置に戻す私の身にもなれ。





「ありがとうございましたー」





若い店員さんの営業スマイルに見送られつつ店をあとにする。





「マスター、可愛いですよ」





レンくんは少し頬を赤めながら荷物を持ってくれた。





「うん、ありがとね、女の子になれたかな…」


「は「仕草が女じゃねーな!!ガサツだし!」





リントくんの一言が胸に突き刺さった。
渾身の一撃だわ。





(リント!!マスターは女の子らしい人じゃないか!!)
(だってこの前下着で部屋うろついてあぐらかいてたぞ?)
(わあああーーーーーーーーーーー!!!)

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