6 俺のいる意味はなんだろう。
誰が作ったんだろう。
なんでもう一人の俺はこんなにも捨てられているんだろう。
ハレ
「お前、そんなに歌下手なのか?」
きっと今がんばっているだろう"俺"に言ってみる。
もちろん返事なんてない。
期待だってしていない。
ハレ
「歌が嫌いなのか?」
そんなことないだろ?
なんて、自問自答してみる。
なんかむなしい。
ってことはだ。
もし仮に"俺"は歌が下手だとする。
そうすると俺も歌が下手なんじゃないか?
背中がゾクッとした。
俺は歌ったことがない。
だから自分の実力をしらない。
とゆーか"俺"の歌さえしらない。
ホント、なんで俺ここにいるんだろ。
【消去しました。】
…。
ハレ
「…おかえり。」
…また、だめだったのか。
どんどん暗くなっていくアメ。
おい、なんかおかしくねーか?
なんでお前服乱れてんだよ!!
ハレ
「なぁ、それ…どうしたんだよ」
もちろん答えない"俺"。
でもあきらかに今回はおかしい。
よく見ると体にも傷がある。
ハレ
「おい、それって…ッ」
あぁ…
そうだった。
俺
なんもできないじゃん。
俺の声は
誰にも
聞こえないじゃん。
なんて無力な存在なんだ。