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 俺のいる意味はなんだろう。
誰が作ったんだろう。
なんでもう一人の俺はこんなにも捨てられているんだろう。





ハレ
 「お前、そんなに歌下手なのか?」





 きっと今がんばっているだろう"俺"に言ってみる。
もちろん返事なんてない。
期待だってしていない。





ハレ
 「歌が嫌いなのか?」





 そんなことないだろ?
なんて、自問自答してみる。
なんかむなしい。





 ってことはだ。
もし仮に"俺"は歌が下手だとする。
そうすると俺も歌が下手なんじゃないか?
背中がゾクッとした。





 俺は歌ったことがない。
だから自分の実力をしらない。
とゆーか"俺"の歌さえしらない。





 ホント、なんで俺ここにいるんだろ。





【消去しました。】




 …。
ハレ
 「…おかえり。」




 …また、だめだったのか。
どんどん暗くなっていくアメ。




 おい、なんかおかしくねーか?
なんでお前服乱れてんだよ!!





ハレ
 「なぁ、それ…どうしたんだよ」





 もちろん答えない"俺"。
でもあきらかに今回はおかしい。





 よく見ると体にも傷がある。





ハレ
 「おい、それって…ッ」





 あぁ…



 そうだった。



 俺



 なんもできないじゃん。



 俺の声は



 誰にも



 聞こえないじゃん。






 なんて無力な存在なんだ。











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