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【アメ視点】





 急に雨がやんだと思ったら、空色にカラフルな水玉の傘があたしを包んでいた。





 「おじょーさん、お迎えにきましたよ」





 そして、私の大好きな声。
暖かい声。





アメ
 「ハレ…」


ハレ
 「こんなとこにいたら風邪引いちゃうでしょう?」





 いつものように微笑むハレ。
少し息が切れている。
もしかして、走ってきてくれたの?





 「ンニャー」





 撫でていた猫がハレの足に甘える。





ハレ
 「お前あん時の猫!!」


アメ
 「…ッ」


ハレ
 「え、アメ?」


アメ
 「…か」


ハレ
 「へ?」


アメ
 「馬鹿ぁぁああああっぁぁっ!!!!」


―ガバッ





 思いっきり抱きつく。





ハレ
 「ちょ、お、おぉぉぉおおおおおぉ」





―バシャンッ





 勢い余って二人で水溜りに倒れこむ。
あ、ハレの顔にどろが…ど、ろ…





アメ
 「っプ…ッフ」


ハレ
 「ってて…なに笑ってん…ップ」





 なんか笑い返された?





ハレ
 「お、おま…顔に…泥が…ハハッ」


アメ
 「ハレだっ…てッ」





 「「あはははははははははッ」」





 どのくらい笑ったかな?
泥まみれの顔でいっぱい笑って。
お腹痛くなるまで笑って。





ハレ
 「はは…はー、腹いてぇ」


アメ
 「だね」


ハレ
 「あー、雨止んだなーっお!アメ、見ろよ!!」


アメ
 「え?」





 ハレの指差す空を見る。





そこには

とても綺麗な

虹があった。

周りの水溜りも

少しずつ出てきた

太陽に反射して

キラキラ輝いていた。

チラッと横にいる君を見ると

太陽のようにキラキラ笑う君がいた。





ハレ
 「アメ、ごめんな!」


アメ
 「ううん、私もごめん」


ハレ
 「チョコ、ありがとな!!」


アメ
 「え?」





―ガサッ





 ポケットから見覚えのある袋をだすハレ。
たしかにさっきのチョコだ。
ルカ姉さん〜〜〜〜〜!!!





アメ
 「でも、それ…割れちゃってるよ…」


ハレ
 「ごめんな、でもさ、俺、すっげぇ嬉しい!!」





―ガサッ





 ハレは一欠けらのチョコをとり口に入れる。





ハレ
 「うん、すっげぇ元気でる!!」





―ナデナデ





ハレ
 「ありがとな?アメのおかげですっげぇ楽になった!」





 あたしをなでてニッコリ笑う君。
あぁ、すごいバレンタインになっちゃったな。



でも…
チョコ、喜んでもらえてすっごく嬉しい!!





 すごく、嬉しい。



→あとがき









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