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【アメ視点】





―トントン





 誰かがノックする音。





ルカ
 「アメ、入っていいですか?」





 ルカ姉さんの声。





アメ
 「あ、どーぞ…」





 あ、眼…腫れてるんだった。





―ガチャ





ルカ
 「洗濯物を持ってきま…アメ?」





 あきらかに眼を見ている。





アメ
 「…ありがとうございます」


ルカ
 「…泣いていたのですか?」


アメ
 「…」





 ルカ姉さんはあたしに近づいてしゃがみこむ。
手で隠そうとしたら手をつかまれてしまった。





ルカ
 「ハレと何かあった?」


アメ
 「っ…」





 ゆっくり隣に座るルカ姉さん。
頭を撫でてくれた。ルカ
 「…これ、さっきつくってたチョコですよね?」


アメ
 「は、い…」


ルカ
 「…(割れてる…、デコレーションからしてハレ宛てのチョコみたいね…)」


アメ
 「お、落として割れちゃったんです」


ルカ
 「あんなに大切そうに持っていたのに?」


アメ
 「それは…その…」


ルカ
 「アカイトさんがハレくんの元気がないって言ってました。」


アメ
 「…」


ルカ
 「元気付けようと思って作ったんですよね?」


アメ
 「…ッ」





 だめ、涙出てきちゃう…。
もう眼にたまってきた。
ルカ姉さんの顔が見れない。





ルカ
 「…」


アメ
 「…ッヒック…ッッ…わ、わたそうと…ッ思ったんですけど…」





 声、震えてる。
ポロポロと涙が膝に落ちる。





アメ
 「話…き、くって…ッグス…言ったん…ですけど…」


ルカ
 「うん」


アメ
 「ほ、ほっといて…ほしいッ…て、言われ…ッちゃって、ぇえ…ふッぅ…」





 ちゃんと伝わったのかわかんない。
嗚咽がもれる。





ルカ
 「チョコ、わたさないんですか?」


アメ
 「…も、う割れちゃって、ッるし…グスッ…あげられ、ないッ!!…ッ」






 貰っても、嬉しくないよ…。





 ルカ姉は優しく撫でて部屋をでていった。










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