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 聞こえるのは
俺の頬をつたう雫が落ちる音。
時計の音。
誰かが歌う悲しい歌。





―コンコンッ





アメ
 「ハレ、いる?」





 あぁ…。
一番会いたくなくて
一番会いたい人の声。




 こんな顔じゃ会えねぇーや。





ハレ
 「…悪い、今はごめん」


アメ
 「え…体調でも悪いの?」


ハレ
 「いや、大丈夫」


アメ
 「ハレ…」


ハレ
 「…」





 …。





アメ
 「やっぱり何か、あった?」





 ……。





アメ
 「あ、のさ…話しにくかったらいいんだけど…」





 ………。





アメ
 「…話、聞くよ?」





 あぁ…。

アメ
 「ね、ハレ…?」





 もう…。





アメ
 「ハレ?」





―ガラッ





 ドアを開ける。





アメ
 「ハレっ」





 アメの笑顔。





アメ
 「あのさ、チョ「よ」え?」




ハレ
 「ほっといてくれよっっ!!」





 頼むから。




 今だけは。




 一人にしてくれよ。





―バタンッ





 何やってんだ、俺…。











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