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【アメ視点】





カイト
 「ただいまぁーーーーっ!!」





 あ、帰ってきた!!
よかったぁー、チョコが足りなくて、困っていたのだ。
玄関まで走って行く。





アメ
 「おかえブフッ」


カイト
 「んー、ただいまぁーーーっ」





 抱きついてきたのはカイト兄さん。
後ろでアイスピックを構えている帯人兄さんが見えたのですぐはなれる。
あ、危ないなぁ…。





アメ
 「クオくんもハレもおつかれさまでした!」


ミクオ
 「おぉー、ん。頼まれてたチョコ」


アメ
 「ありがとうございます!」





 ちゃんと10枚あった!
よかったー。




 ん?





アメ
 「ハレ?」


ハレ
 「…」





 何故か一人だけ無言で何か考え事をしているハレ。
声をかけても反応してくれない。





アメ
 「あの、何かあったんですか?」


ミクオ
 「さぁ?帰りはずっと黙り込んでたよ」


アメ
 「そう、ですか」





 心配だな、なんかあったのかなぁ?
もう一回話しかけて見る。





アメ
 「ハレ?」


ハレ
 「ッ!え?!あぁ、ごめん何?」





 やっと気づいたのか慌てて苦笑いするハレ。





アメ
 「いや、黙り込んでたから…なにかありました?」


ハレ
 「い、いや!!なんでもねぇー!!大丈夫、チョコ作り頑張れよ!」





 そう言ってあたしから離れていくハレ。

 すれ違う時に見た君の表情に胸が締め付けられそうになった。

 あたしじゃ頼りにならないかな。

 話だけでも聞いてあげれるのに。

 何に悩んでいるの?

 あたしに言えないこと?




 振り返って君の背中を見る。
小さくなっていく。
何か言わなければ。
何かを君に言わなければ。
でも、なんて…?




 あぁ、君を見失った。





ミク
 「アメ?」





 ミクの言葉で我に帰る。
誰もいない玄関で一人で佇んでいたらしい。
チョコ、できたらハレに聞いてみようかな。
聞くだけなら、あたしだって出来るから。




 だから、どうか…










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