3 「さぁ、目を開けてごらん。天音 アメ」
目を開くとそこにはマスターと見られる男性と初音ミクがいた。
マスターは嬉しそうに笑う
最初ハソウナンダ、笑ッテクレルンダ
初音ミクもあたしを覗き込んで可愛らしい笑顔で
ミク
「初音ミクですっ!よろしくね、アメちゃん」
と自己紹介する。
マタ、猫カブルンダ、愛サレタイモノ
「さぁ、アメ!声を聞かせてくれ」
「はじめまして天音アメです。これからよろしくお願いします」
そしてまた笑顔を作る。マスターもミクも安心したように笑ってくれた。
少シデモ此処ニイラレルヨウニ
マタ、偽笑顔(エガオ)ヲ作ッテ歌ウンダ
マスター
「プログラムには問題ないみたいだね。此処にはアメやミク以外にもたくさんのVOCALOIDがいてね、亜種なんかもいるんだ」
アメ
「亜種…ですか?」
ミク
「そうだよー、僕にもいるんだよ?ミクオってゆー男の子っ♪」
亜種か、亜種って確かウィルスなどが入ってできること…だよね?
このPCはウィルスが入るのか…。
マスター
「たまにはいっちゃうんだよねウィルス…。でも亜種も歌えるから俺は捨てないけどね。」
微笑ながらマスターは言う。
マスター
「此処にいる子はみんな俺の家族なんだ。大切なね?」
ソンナ事言ウ嘘吐(マスター)ハ、イッパイイルンデスヨ?
アメ
「あたしも家族…ですか?」
マスター
「もちろんっ」
ミク
「ねぇねぇ歳いくつー?ミクより年下ー?」
アメ
「えと、15です」
ミク
「あぁ、いっこ下かぁ!!じゃリンちゃんやレンくんの年上だね」
リンちゃん?レンくん?
あぁ、鏡音双子かぁ…
此処には人気ものがいっぱいいるんだなぁ
アメ
「此処にはどんなボカロがいるんですか?」
マスター
「あぁ、じゃあ皆呼ぶから少し待っていて」
そういってマスターはPCをいじりだした。
キーボードをカタカタとする音。
マウスをカチカチとクリックする音。
全部全部捨てる時の音と一緒…。
一緒なんだ、コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ
ミク
「アメちゃん?どうしたの?顔色悪いよ??」
ミクちゃんはあたしの顔を覗き込む。
ビックりした。あたしのヘッドホンからマウスの音やキーボードの音しかしなくなっていてまるで洗脳されていたみたいだった。