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 ビックリした。
回収が決定されたボカロがまだいたなんて。
それも俺の想像してたのより結構可愛いかった。
そんで結構明るい声だった。
みんなと一緒に笑っていて亜種までいた。
なんでだ?なんでそんな嬉しそうなんだ?





 それにさっき俺がからかったらレンがキレた。
なんでお前がキレるんだ?
もしかして…惚れてんのか?




 そんでアメが俺の案内するといったらみんな嫌そうな顔をした。
みんな惚れてんのか!?





アメ
 「あの、リントくんどうかしました?ボーっとしてますけど…」



リント
 「え、あぁ何?」



アメ
 「いえ、なんでもないですが…」



リント
 「じゃ呼ばないでよ」



アメ
 「すみません…(怒られたぁ)」



 なんでこんな意味ないことすんの?
そーゆーとこにみんな惚れたのか?



アメ
 「あ、カイトさん!」



カイト
 「ん?あぁ、アメちゃんと…あぁ君がリントくんかぁ、よろしくね」



 なんでみんな制服着てるわけ?
しかもカイトまで…。




カイト
 「…(無視された…)」



アメ
 「(リントくーーん!?返事してあげて!!カイト兄さん落ち込んでるー!)何か手伝いますか?」



カイト
 「うーん、帯人が血だらけになってないか見てくれれば嬉しいな」



アメ
 「ハイ、じゃあ案内と一緒に見てきますね」



 そう言って、カイトと別れた。




リント
 「帯人までいるんだ」



アメ
 「はい、マスターは優しいから亜種も歌わせてくれるんです!こんな私にも…」



 嬉しそうに微笑むアメ。
なんか…可愛い。
ジッとアメを見つめてみる。



アメ
 「どうしました?(なんで見られてるんだろう?)」




リント
 「アメは誰かを好きになったことある?」



アメ
 「んー、好きになる暇なんてなかったからなー…今はみんな好きですよ!」



リント 「…」




 コイツも捨てられ続けたんだ…。
俺と一緒…。
でも俺は亜種。
鏡音リンを期待してインストールしたのに俺が出てきたんだ。
そりゃ誰だって捨てるよな。




アメ
 「ここが帯人兄さんの部屋です!ちょっと見てきますけど一緒行きますか?」



リント
 「…行く」



アメ
 「そうですか、じゃあ…」



 そう言いながらノックをするアメ。
了解を得て入る。
うわ、暗ッ!!




アメ
 「帯人兄さん、また腕切ってたりしてないですよね…あッッ!?」




 帯人は腕からたくさん血を流してアイスピックを握ってこちらを見た。



―バッ



 ?!
急にのどからの痛み。
何が起こったのか確認すると帯人が俺に向かってアイスピックを突き立てていた。
一瞬だった。本当に早かった。




帯人
 「…誰?」



アメ
 「わぁッ!!た、帯人兄さん、何やってるんですか!!?」



 そう言って俺と帯人を離すアメ。



アメ
 「リントくん、大丈夫ですか?」



 俺に近づいてのどの傷を見るアメ。
今にも泣きそうな目をしていた。




リント
 「な…んでケホッ」


アメ
 「ご、ごめん!!」



 ついにポロポロと流れ出た無数の涙。
なんでお前が泣く?



アメ
 「の、のど怪我したら…ッう、歌えない…から」



リント
 「俺ヘーキだから」




 チラッと帯人を見ると目を見開いてこちらを見ていた。
俺はアメを無意識で撫でていた。
この俺がこんなことするなんてな…。



アメ
 「本当ですか?痛くない?」



リント
 「ホントにヘーキ。全然痛くねェよ」



アメ
 「そっか…、ごめんなさい、なんか…」



リント
 「んで謝んだよ」



アメ
 「うぅー…」




 暫く撫でてやる。
落ち着いたのかアメは帯人の腕の止血を始めた。
俺もそれを見つめる。




アメ
 「もうあんなことしちゃダメですよ?もちろん自分の体もダメです!」



帯人
 「…そうしたらアメは俺の物になってくれる?」



アメ
 「…それは、わかんないです」


帯人
 「どうすれば俺のものになってくれる?」



アメ
 「あたしが帯人さんを好きなれば…ですかね?」


帯人
 「…そう」




 帯人のことだ、無理やりとか考えるかもしれない。
それにしても…なんで俺今イライラしてたんだ?
いや、今もイライラしてる。
多分この感情は嫉妬って奴。





 もしかして俺もコイツのこと…






アメ
 「よし、完成ッ!!もう切っちゃダメですよ?じゃリントくん、行きましょうか」





 好き、なのか。




 じゃあ帯人にやられっぱなしじゃムカツクからやりかえしてぇな…。
そぉだなぁ…。




リント
 「アメ」



―グイッ


 抱きしめてみる。
帯人に向かって笑いながら。



アメ
 「り、リントくん!?どうしたんですか??」



リント
 「どうしたんだろうなー?」



アメ
 「///??」



帯人
 「…また刺すよ?」



リント
 「それはご遠慮したいですねぇ、帯人お兄さん?」



帯人
 「…」



 こっち近づいてきたんでアメを引っ張って部屋を出る。
…俺はマジでコイツが好きなんだな…。












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