4 【ハレ視点】
【回収】の言葉が胸に響く。
アメは、今にも泣きそうな顔だった。
やっと存在できた俺はどうすればいい?
手が震える。
それは握っているアメの手からの振動でもあり、俺自身の振動でもあった。
だって今でも
怖いんだ…
みんなの目を見るのも怖くて
アメの手しか見れねぇ…
アメ
「大丈夫ですよ…大丈夫…。楽しかったです…初めてインストールされてこんなに楽しい思いをしました…本当に、ありがとうございます…」
急にみんなに向かって笑ったアメ。
しかし目には涙を浮かべていた。
笑っていた顔もすぐに崩れて、泣き出してしまった。
何にもできねェ…
ギュッと握っている手に力を込める。
どんどん大きくなるアメの声。
きっと抑えようとしてるんだな…。
震えてる肩にそっと手を乗せる。
そして、抱きしめた。
「ッ捨てないで…ぇぇ」
小さな声だけど
聞こえた。
こんなにも捨てられるのを
拒んだのは
初めてかもしれない。
捨てられても
ずっと
一緒だから
傍にいるから―