今に至る
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 私とアカイト兄さんが逃げる前の話。
私は借りていた本を返しにアカイト兄さんの部屋にお邪魔していた。





アカイト
「やっぱまだ難しかったかー」


アメ
「うぅ、すみません…」


アカイト
「いいよいいよ」


アメ
「どういう内容なんですかー?」


アカイト
「ん?あぁ、幼馴染の男女がいろいろ邪魔されつつ結ばれてく話」





 そんな昼ドラのような話だったのか…!





―トントン





カイト
「アーくーん!!」





 カイト兄さんの声が聞こえる。
アカイト兄さんがドアを少し開く。
なんで警戒してるんだろ?





カイト
「遊びにきたー入れてーっ!!」


アカイト
「帰れ」


カイト
「なんでー!!いいじゃんっ」





―ガチャッ





 ドアが前回に開く。
あ、帯人兄さんもいた!





カイト
「あれ、アメだ」


アメ
「お邪魔してまーす」





 カイト兄さんは手を振る。
あれ、手になんか持ってる…?





アカイト
「お前なんで酒もってんだ?」


カイト
「飲も?」


アカイト
「えー…」





 なにやらお邪魔のよう。
ちょろっと部屋から出ることにした。
が、





―ガシッ





 帯人兄さんに手を掴まれてしまった。





アメ
「えぇっと…」





 帯人兄さんはうつむき何も言わない。
どうしたのだろうか?





アメ
「帯人兄さん?」


帯人
「…アメ」


アメ
「はい?」


帯人
「はは、あははははははは」





 ガバッと勢いよく顔を上げ、肩を掴まれた。





アメ
「!?」


帯人
「どうしていつもアカイトといるの!!?あはは」





 いつもと様子が違う。
怖くないけどある意味怖い。
その無邪気な笑顔がなんとも…





帯人
「あはは、あははははッずるいなーアカイトは…」





 クスッと笑いほっぺを少し舐められた。





アメ
「た、帯人兄さ…///!!?」


帯人
「あははっアメかっわいいーッッ!!!」





―ギュッ





 抱きしめられた。
困ったのでとりあえず撫でてあげる。
これは…酔っているんだな、きっと。





帯人
「んへへ…俺だけのもの…」





 うぉーう。





アカイト
「カイト、お前…」


カイト
「帯ちゃんが久々に飲みたいって言うからー」


アカイト
「こうなることは予想できたろーが…」


カイト
「えへへー」





 いまだにへばりついている帯人さんの横からアカイト兄さんが近づいてきた。





帯人
「えへへ…へへッへへへ…アメ…もっと…」





 もっと!?
ということなのでもっと撫でてあげる。





帯人
「いいにおい…甘いにおい…」


アメ
「ひぃあッッ///!?」





 スンスンとしながら首元にキスされた。
思わず身震いした。





帯人
「もっとアメみたい、全部ぜーんぶ…いい?」


アカイト
「はい却下」





 私と帯人兄さんの間に入ったアカイト兄さん。
帯人兄さんは楽しそうに笑っている。





帯人
「アカイトくーん邪魔ー」


アカイト
「うるせー絡むな…カイト、こいつを…」





 いつの間にかカイト兄さんは目を閉じてスースーと寝息をたてていた。





アカイト
「寝るな!!」


帯人
「アーカーイートー」





 す、すごいことになってる…。





アカイト
「よし、逃げるか」


アメ
「はい?」





 お腹まわりに腕をまわされそのまま担がれた。





アカイト
「メイトさんに相談だ!!」





 そのままリビングに向かってダッシュ。






 そのまま今に至る。





(アカイトがアメさらったー)
(グー…グ-…)





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