4
bookmark


 綺麗な音で目が覚めた。
ルキさんがピアノを弾いていたのだ。






 しまった。
いつの間にか寝てた。
身体を起こすとルキさんがこちらに気付いた。





ルキ
「練習中にも寝てしまうなんて子供ですね」


アメ
「ごめんなさい…」


ルキ
「全く、この後用事があるのでどうしようかと」





 とっても迷惑をかけていたみたいだ。
その後すぐに別れて自室に戻った。





アメ
「ハァ…」





 せっかく練習付き合ってもらってたのに寝ちゃうなんて…。





―トントン





グミヤ
「アメいるー?」





 ミヤくんだ。
収録終わったみたい。
返事をして扉を開ける。





グミヤ
「終わったよー」


アメ
「お疲れ様です!」


グミヤ
「ありがとーうっ」





 首にかけられていたマイク付きのヘッドホンを取る。





グミヤ
「やろっか!」


アメ
「はいっ!」





 練習部屋に移動。
さっきまでいたルカとミクは練習を終えたようだ。
少し息を切らせている。
なんでだろう?





グミヤ
「ルキ兄さんが急げって言うからちょっと走っちゃった」


アメ
「な、なんで?!」


グミヤ
「すぐ寝ちゃうからーって」





 チクられてる…(泣)
ミヤくんにさっきのことを話すと思いっきり笑われた。





グミヤ
「ルキ兄さんの前で寝ちゃったの?あはははは」


アメ
「うぅ…」





 そんなに笑わなくても…。





グミヤ
「ハァ、ごめんごめん!」





 と言って頭を撫でられた。





アメ
「むぅ…」


グミヤ
「怒んないでよー」


アメ
「怒ってませーん」





 ちょっと拗ねてみる。




グミヤ
「でもよかったー、一緒にいたのがルキで」


アメ
「なんでですか?」


グミヤ
「そりゃあ…まぁ、なんかされちゃうかも知れないじゃん」


アメ
「なんか?」





 ってなんだ?





グミヤ
「わかんない?」


アメ
「?はい」


グミヤ
「だから…」





 グっと肩を押されソファーの上に倒れる。





アメ
「うわわっ!」





 その上にミヤくんが馬乗りになり、顔を近づける。





グミヤ
「こうゆーことされちゃうよ?」





 いつもみたいな笑顔でいつもみたいな口調で。





アメ
「わ、わかりました、だ、だからッ…///」


グミヤ
「…アメ」





 ミヤくんの左手が私の頬に触れる。
一気に顔が暑くなる。





アメ
「あ、あの…///?」


グミヤ
「…」





 無言で近づいてくるミヤくん。
ちょ、ちょっと待って…!





アメ
「…ッミヤく、ん」


グミヤ
「ッわぁ!!!ご、ごめん!!!!!」





 ミヤくんは正気に戻ったように慌てだした。
急いで起き上がり、背を向けられた。





グミヤ
「いや、本当ごめん…何してたんだろーね、あはは…」





 どうしよう。
ちょっと落ち込んでる気がする。
私にできること…?





アメ
「…ミヤくん」


グミヤ
「な…ッ」





―ギュウ





 後ろから抱きしめてあげる。
これでミヤくんが元気になるかわかんない。
逆効果かもしれない。
でも、思いついたのがこれしかなかった。





グミヤ
「え、と……アメ…///?」


アメ
「はい」


グミヤ
「何してんの///?」


アメ
「元気付けてます」


グミヤ
「そっかー…///」





 手を握ってくれた。
これでよかったのかもしれない。
少なくとも、落ち込んでないようだ。





アメ
「練習しましょうか」


グミヤ
「もうちょっとー」


アメ
「しょうがないですねー」


グミヤ
「柔らかーい」





 柔らかい?
あれれ太った?





グミヤ
「特に胸の辺りが…」





―ガチャ





ハレ
「お前らァッッ!!!!!二人きりで何を…な、なにを…?!」





 突然入ってきてたハレは目を丸くさせた。
あぁきっと勘違いしちゃったかな。





アメ
「えーと…」


グミヤ
「何って、ナニ?」


アメ
「ミヤくん、ナニって何?」


グミヤ
「えへへー内緒!」


ハレ
「…ハァ」





 ハレがため息をつき、顔を上げる。
よかった、いつもの笑顔だ!





ハレ
「グミヤ、ちょっと表でろ」(ニッコリ)





 顔と言葉が合ってないよ!!
ミヤくんを見ると余裕そうな顔をしているが汗が垂れていた。





グミヤ
「……す」


ハレ
「ん?」(ニコニコ)


グミヤ
「逃げますッッッ!!!!!!!」


ハレ
「逃がすかよッ!!!!」





 目が追いつかないほどの速さで出ていったミヤくん。
それを同じくらいの速さで追いかけて行ってしまったハレ。
大丈夫かな?





メイト
「何騒いでんだー?」





 開けっ放しのドアからひょっこり顔を出したのはご機嫌斜めのメイトさんでした。





アメ
「すみません、うるかったですよね」


メイト
「いやまぁいいんだけどな」


アメ
「何かしてたんですか?」


メイト
「寝てた」





 寝てたんかーい。





アメ
「昨日ちゃんと寝てなかったのですか?」


メイト
「あー…メイコの酒に付き合ってたらな…」





 顔を青くさせながら小さくため息をついた。





アメ
「そんなにすごいんですか?」


メイト
「あぁ、ありゃ恐ろしいぞ…」





 すごいらしいです。





メイト
「もっかい寝てこようかな」


アメ
「あ、じゃあ…」





―バフッ





 メイトさんは勢いよくベッドにダイブして寝る体制に入った。
私のベッドに。





アメ
「ここで寝るんですか?」


メイト
「……ん」





 もう寝てしまった。
そうとうお疲れのようだ。
掛布団をのせて寝顔を見る。





アメ
「(可愛いな…)」





 今日は眠い日だな、うん。
アカイト兄さんに借りた小説を読むことにした。





アメ
「(む、難しい!!)」





 いきなりは難しいかったかな…。
読めば読むほど…眠く、なる…。





アメ
「(よし、寝よう)」





 フラフラしながらベッドに寝転がる。





アメ
「スー…スー…」





(なんか、重い…)





/
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -