8
bookmark


 アカイトと別れて、ちょっと歌の練習をすることにした。
いつもみたいに個室に入り、マイクを手にとる。





 ちょっとでもアメの助けになりたい。





 調教しにくい声らしい俺は少しでも色んな音が出るように練習する。





ハレ
「ん…?」





 扉の前に誰かいる?
気になったから近づくとそこにはアメがいた。





―ガチャ





ハレ
「お嬢さん何してんの」


アメ
「うわぁ!!」





 しっかり覗く体制だったらしくバランスを崩す。
なんとか持ちこたえて「バレちゃった」と照れ笑いを浮かべる。





アメ
「ハレが練習部屋入るの見えたから追いかけちゃった」





 こういうこと簡単に言うからみんなに好かれんだよ…。





ハレ
「一緒に練習するか?」


アメ
「うんっ!」





 ふわっと笑いサラサラと伸びた髪を耳にかける。
それから二人でいろんな曲を歌った。
やっぱりアメもまだ出しにくいところがあり、苦手な音を中心に歌いあった。





ハレ
「ハァ…き、休憩」


アメ
「さすがに疲れたね、飲み物とってくるよ!」





 と言って台所に向かった。
残った俺は今まで歌った曲を分析されたグラフを眺める。
音は外さなくなった。
が、はっきり言えてない言葉がある。





ハレ
「…ハァ……」





 机に頭をつけ、キョロキョロ周りを見る。





―ザッザザッ





 ん?
ヘッドホンから音がした。
マスターか?





―ザッザザザ





 雑音がする。
電波悪いのかな。
練習部屋を出てもう一度聞くがまだ雑音ばかり。





―ッガ…ッ…ル…





 ん、なんか聞こえる。





―…クガ……ッヲ…ル





ハレ
「なんだよ?」





―……





 無音になる。
なんだったんだよ…。





―僕ガアメヲ守ル。





ハレ
「え、おい!!!」





 今、確かにアメって聞こえた。
返事はなかった。





アメ
「ハレ、どうしたの?」





 振り返るとコップを二つ持ったアメいた。





ハレ
「あ…いや、なんでもない」


アメ
「そう?…あ、開けてくれる?」


ハレ
「いいけど、何それ」





 それとは持っていたコップだった。
明らかに中身赤い…。





アメ
「アカイト兄さんがハレのためにって用意してくれたんだよ、喉にいいんだって」


ハレ
「いや喉つぶれるからそれ」





 仕方ないので今度は俺が取りに行くことに。
アカイトが座っていた。





ハレ
「おい」


アカイト
「なんだよおかわりか?」


ハレ
「あんなん飲めるか!!!!」


アカイト
「いや飲めよ!!!」


ハレ
「喉焼けるだろ!!」


アカイト
「髪赤いし平気だって!」


ハレ
「関係ねェよ!!!」





 ぎゃあぎゃあ言い合ったので喉乾いた。





ハレ
「アカイト、お前ちょっと嫉妬してんだろ」


アカイト
「ハ、ハァ?!んな訳ねーだろ!!!」





 ゴニョゴニョ言ってる。
大人っぽいと思ったが全然子供だな。





ハレ
「一緒練習すっか?」


アカイト
「…いいのか?」


ハレ
「別にいいよ、来んの?」


アカイト
「…行く///」





 おもろいww
アカイトの背中を押しながら部屋にもどる。
二人きりも惜しいけどみんなでやれば楽しいだろうしな。





(おかえり、あ、アカイト兄さん!)
(一緒、いいか?)
(もちろんです!)
(…サンキュ///)
(おいラブコメやめろ)





/
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -