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リン
「早く行こうよー!!」


カイト
「花火始まっちゃうよー!」


アメ
「うーちょっと待ってくださーい」





 メイコさんが帯を結んでくれている間にすでに支度出来ているリンとカイト兄さんが騒いでいる。
いよいよ今日は花火大会当日です。





メイコ
「はい完成!!」


アメ
「ありがとうございます!」


ルカ
「とっても素敵です///」





―パシャッ





 なんで写真撮ったの?!
ルカさんはふにゃふにゃ幸せそうに笑うから何も言いませんでした。





アメ
「お待たせしました…へ///?」





 皆さんのいるリビングに行くとみんなの目線を一気にあびた。
は、恥ずかしいんですが…。





カイト
「か、かっわいいっっ」


アメ
「きゃあっ」





―ガバッ





 カイト兄さんが飛び付いてきた。





ハレ
「おいバカイト!!!」


グミヤ
「みんなお似合いだー!」


アメ
「えへへー…///」





 なんだか照れちゃいます。





メイト
「はい、しゅっぱーつ」





 気だるそうなメイトさんの掛け声で私たちは会場へと移動しました。
もちろん、酔い止めを握り締めながら。





グミ
「アメちゃん大丈夫ー?」


アメ
「あと6回ほど乗れば慣れるかと…」


レン
「どんだけ乗る気なんだよ」





ミク
「混んでるねー…」


ハレ
「すげーな…」





―ドンッッ



ミク
「うわわッッ」


ハレ
「あ、ミク危ねッ!!」


ミク
「あぶなかったー!ハレナーイス」








 ミクが転びそうになり、それを支えるハレ。





アメ
「…」





 なんか…。





ミクオ
「…アメ」


アメ
「へっ?!な、なに?」


ミクオ
「いや、出店いこ」


アメ
「う、うん…」


ミクオ
「…」





 なんだろ、この感じ。
なんか…やだな。





 出店は混んでいて買えたのはわたあめくらいであとはカイト兄さんとミヤくんがくれたたこ焼きとかお面とか。





ミクオ
「もう疲れた顔だな」

アメ
「クオくん!こんなに人ごみに入ったことなかったんでびっくりしちゃって…」


ミクオ
「あれグミヤたちは?」


アメ
「帯人さん連れてくじ引きしてましたよ」


ミクオ
「そか……お前、さっきハレとミク見てどう思った?」





 人気のない方へゆっくり歩きながらクオくんの言葉に頭を上げた。






アメ
「…どう、でしょうね…」


ミクオ
「質問を質問で返すなよ」


アメ
「むー…」


ミクオ
「…答え、ずらいならいいんだけど」





 大人の対応された…。
少し薄暗いベンチに腰掛ける。
さっきもらったたこ焼きを一つ食べる。





ミクオ
「えーと、だな…」


アメ
「?」(モグモグ)


ミクオ
「…(俺だけ緊張してんのかよ…)」


アメ
「??」





 なんか無言だなー。
二つ目のたこ焼きを口に入れる。




ミクオ
「多分、こんなチャンスもうないかもだから…言わせてもらうけど、さ…」


アメ
「はい」(モグモグ)




―ガシッ





アメ
「むっ…グ」





 肩を掴まれてしまった。
思わずたこ焼きが詰まる。
なんとか飲み込んでクオくんと目を合わせる。





ミクオ
「ップ…なんだよ、その顔ックク」





 笑われた。
なんで??





アメ
「???」


ミクオ
「悪ィ、俺が驚かせたからだもんな、ほらお茶」


アメ
「ありがとうございます」





 そうとうひどい顔してたんだろうな…。
まだちょっと笑っているクオくんを見てそう思った。





ハレ
「おーい、花火もう始まるぞー!!」


リン
「もー場所とりできてるから早くー!!」





 遠くでハレとリンが手を振っていた。




アメ
「行きましょーか」





 立ち上がりクオくんに手を伸ばす。
さっきとは違った笑い顔のクオくんが手を伸ばす。
そして



























ミクオ
「俺は天音アメが好きだ」





















 世界中のみんながいなくなって
私と、クオくんだけの世界になったような気がした。





ミクオ
「ほら、行くぞ」





 手を引かれるまま走って、ぼーっとしながら花火を見た。
とても綺麗だったはずなのに、なんだかクオくんのことばかり見てしまった気がする。
目が合うたびに笑うクオくんにドキドキして、胸が熱くなって。





でも、ほんのちょっと苦しかった。



nexyt…?






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