お前ら、遊ぶぞ | ナノ





キャッチボール?



 今日は休日。
もちろん未だ布団の中にいるわけで。





姫香
「(もう10時か…)」





 そろそろ妹も起きるころかな?
なんて考えてたらリビングからテレビの音が流れ始めた。
また好きなアイドルのDVDでも見てるのかな?






「ッおねーちゃああああああん!!!」





 な、なんだ!!?
起き上がり、早足でリビングに向かう。





姫香
「どうしたの?!」



「ま、窓に知らないお兄さんたちが…」





 不審者?
急いで窓に近づきカーテンを開く。





姫香
「…うわ」





 そこにいたのは見慣れた先輩方でした。
ジャージで、すごい笑顔で。





―ガラッ





姫香
「何してるんですか…?」


涼介
「部活だ!!」


姫香
「今日は休みます」


涼介
「認めねーよ」





 ッチ。
妹逃げちゃったし…。





姫香
「本日の活動内容はなんですか…」


晴太
「キャッチボールだよー!!!」





 すでにグローブをはめている晴太先輩。
キャッチボール…面倒くさい…な。





姫香
「お腹痛いんで」


涼介
「めんどくせーとか思ったろ」


姫香
「ッチ」


涼介
「おい今舌打ちしただろー!!!!」


姫香
「めんどくさいですもんー」


涼介
「遊ぶぞー!!!」





郁乃
「いーから早く着替えてこいよ、のろま」






 郁乃先輩口悪い…。
とりあえずジャージに着替えて支度する。





姫香
「妹、ちょっと部活してくる」



「え、あのお兄さんたちと!??」


姫香
「うん」



「…」


姫香
「…」



「プリン、買ってきて」





 ぱしられました。
スニーカーの靴ひもを結びなおして外に出る。
既に私の家の庭で全力キャッチボールをしていた。





姫香
「ガラス、ガラス割れちゃいますからやめて!!!!」


涼介
「よっしそろったな!!」





 あれ、翔先輩と悠先輩がいない。





郁乃
「先に公園行ってるってさー」


姫香
「心読んだ…」


郁乃
「姫香顔に出やすいから涼介以外なら誰でも読めるでしょ」


涼介
「あれー郁ちゃんなんか今ひどいこと言ってなーい?」





 …なんだかなー。
公園に向かいながら涼介先輩と郁乃先輩が言い合いをしている。





晴太
「井上の妹可愛かったなー」





 これまた急に…。
と、言いますか肩に肘のせるの重いからやだ…。





晴太
「で、彼氏もち?」


姫香
「人の妹を狙わないでください」


晴太
「井上は胸がないからなー…Bくらい?」





 うるさいなーこの人…。
別にいいじゃんか…。





 公園に着き、なにやらレジャーシートに体育座りをしている男二人。
まぁ翔先輩と悠先輩なのだけど。
あ、翔先輩眼鏡だ。





涼介
「よー!お前ら二人で何してんだー気持ち悪ィ」



「ひでぇ言われようだなー」





 ハハと笑いながら立ち上がる翔先輩。
それにつられて悠先輩も立ち上がる。





―バサバサ





 悠先輩の膝に乗っていたたくさんのお菓子がこぼれ落ちる。





姫香
「あーもうまたこんなにお菓子買ってきてー…」



「…ん」


姫香
「ほらまた口にカスつけてー…ちょっとほら動かないでください」



「んー…」





 なんでこの人動くんだ!!!!





涼介
「おかんか…」


郁乃
「おかんだな」





 誰がおかんだコラ。





晴太
「姫香ー!!!パーーーーースッッ」





 とか言いながら剛速球を投げてきた。






姫香
「うわ、こわ」





 取れるわけもなく思わず避ける。





―バシッッ






「おー…いてぇ…」





 後ろを見ると涼介先輩が涙目になりながら頭を抑えている。
その涼介先輩の前に立ちボールをキャッチした翔先輩。
しかも素手。





晴太
「うわー!!!翔大丈夫か!!?」



「大丈夫大丈夫、つか井上ちゃんにその球はやめろ」


晴太
「わかった、井上には消える魔球やる!」


姫香
「やめてください」





 しばらくみんなでキャッチボール。





涼介
「ところでさー」


姫香
「はい?」


涼介
「お前、この中で誰を彼氏にしたいと思う?」


姫香
「はぁ…?」


晴太
「おー、気になるねー」





 みんなを見回すとボールは止まっていてみんなこちらを見ていた。





姫香
「キャッチボールしないんですか…」


涼介
「あー、休憩!!!悠、お菓子用意!!」



「了解」





 あぁ、飽きたんだなーこの人ら。
レジャーシートに集まり悠先輩の輝かしい目でお菓子を開いている。





涼介
「で、で!!さっきの続き!!!どうなのさ!!!」





 うるさいなー…。
何キラキラした目でこっち見てるんだこの人…。





姫香
「まぁ無難に翔先輩ですよね」


涼介
「なんだとおおおぉぉぉぉぉぉおぉおぉおぉぉおお!!!!???」



「ハハ」


郁乃
「涼介うるさい」


晴太
「悠、あーんして、ほれあーん!!」



「あーん」


姫香
「悠先輩あっちもこっちも開けないでください…」





 もう、バラバラ…。





涼介
「な、なぁ姫香…俺は、何位くらいかな…?」


姫香
「最下位」


涼介
「…お、俺姫香に嫌われるようなことしたっけ…」


姫香
「部活を無理やり入部させた」


涼介
「悠…慰めて……」



「俺、何位?」


涼介
「え、おい!!!おーい…」





 悠先輩までもう…。
めんどくさい。





姫香
「悠先輩二位」



「…俺は、姫香一位」





 ん?





涼介
「さり気なく姫香にアピールするな!!!」



「?」





 どうやら無意識のようです。
ちょっとドキドキしたなー…。





姫香
「あ、これ美味しい」





 新作のお菓子スティック状のスナック菓子だ。
妹にでも買ってってあげようかな?





晴太
「俺もそれ食べたい」


姫香
「ん、はい」





 お菓子を差し出す。
まぁいわゆるあーんな感じ。





晴太
「あーん」


姫香
「あーん」


涼介
「阻止」





―バキッ





 あ、カラテチョップした。
お菓子が粉々になった。






「……涼介」


涼介
「あー?なんだよ」





 あれ、悠先輩が立ち上がった。






「なんでもったいないことしたの?」


涼介
「え、…あ……」



「食べ物を粗末にしちゃだめだよ」


涼介
「………はい」





 悠先輩目怖いな…。
そして涼介先輩は怖いからってジャージ引っ張らないでくださいよ…。
食べ物を大切にしている人です。





(で、キャッチボールは?)
(寝るかー)
(おいこら!!!!!)


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