お前ら、遊ぶぞ | ナノ





おにごっこ






―バリバリバリムシャムシャムシャ





姫香
「…」





―ガサッゴソゴソバリバリ





姫香
「…」





―カサカサパリパリ





 うるせぇ!!!!!!!
無理やりつれてこられてきたらいいけど皆さんお菓子をむさぼってるだけじゃん!!!
もうホント何する部なのこれ…。






「井上ちゃんどうしたの?」


姫香
「い、いえ…」





 お茶を入れてくれたのは遠藤翔(エンドウショウ)先輩。
この人面倒見がよくて優しい人。
一番先輩らしい人です。
この部活の副部長。
お茶をすすりながら部室を見回す。





 まず目に入ったのはさっきからお菓子を無心に食べている下田悠(シモダユウ)先輩。
口数は少ないしよく食べたり飲んだりしている。







「…?」(モグモグ)


姫香
「おいしいですか…?」



「…」(頷く)


姫香
「そうですか」



「…はい」





 お菓子を差し出してきた。
チョコ…。
お礼を言って食べた。
この人といると太るな…。





 次に見えたのは金魚に餌をあげている小沢晴太(オザワセイタ)先輩。
この人はもう元気の塊だろうな。
腹筋が板チョコらしい。





晴太
「あ、井上ずりー!悠、俺にもお菓子!!」



「…ん」


晴太
「ありがとってこれゴミじゃんかー!」





 一人でぎゃはははと笑う晴太先輩は私の隣に座った。





郁乃
「あー、ちょっと晴太ーそこ俺の席なんだけどー」






 この少し高い声は桐江郁乃(キリエイクノ)先輩。
ゆるゆるだるだる。






「遅かったなー郁乃」


郁乃
「うん、掃除やってた」





 翔先輩は郁乃先輩の頭を撫でている。
か、可愛い…!!





姫香
「って、さっきから涼介先輩が見当たりませんが」





 さっき私を無理やり連衡してきた先輩だ。





晴太
「さっき出てったまま帰ってきてないよっ」





 晴太先輩は机に座りながら言った。





姫香
「晴太先輩お茶こぼれちゃうんでおりてくださいよ」


晴太
「じゃあ井上の膝の上に座るか」


姫香
「空気椅子しててください」





 晴太先輩はまた笑いながら自分の席についた。
本当に落ち着きのない先輩だ…。





郁乃
「あれ、姫香ー今日は逃げずにきたんだねー」


姫香
「いや、逃げたかったです」


郁乃
「あー涼介に捕まったのかー」




 ガサガサとお菓子を開ける郁乃先輩。
その萌え袖しているところも可愛いなぁ…。





郁乃
「悠、それとってー」(モグモグ)



「ん」(モグモグ)


郁乃
「あざー」(モグモグ)



「二人ともこぼしてるぞ」





 モグモグコンビにティッシュを渡す翔先輩。
相変わらずおかん…。





晴太
「井上、ゲームやろうぜゲームっ!!」


姫香
「いいですけど、なんのゲームするんですか?」


晴太
「ギャルゲとエロゲあるけどどっちがいい?」


姫香
「なんかこう、もっとみんなで楽しめるのはないんですか」


晴太
「じゃあエロゲしよっか!」


姫香
「なんでそうなるんですか!!!」





 晴太先輩が持ってきたゲーム機をセットして晴太先輩の持ってきたテレビをつけた。
この人の家は学校から近いそうです。





―ガチャッ





涼介
「お前ら遊ぶぞー!!」





 部長登場。
蒼井涼介(アオイリョウスケ)先輩はすごい笑顔で現れた。
しかもその手には犬。
生きている犬。






「その犬どうしたんだよ?」


晴太
「犬だーっ!!」





 みんな一斉に犬に集まる。
私はと言うと荷物まとめてこっそり出て行く。


―バンッ





姫香
「わぁっ!!」





 涼介先輩に壁ドンされた!!






涼介
「どこ行く気だ」


姫香
「…お家ですが」


涼介
「駄目だ」


姫香
「逃げます!!!」





 涼介先輩の手を潜り抜けて廊下を走る。
帰って寝て夕飯食べて寝るんだ!!!





涼介
「逃がさねーよ!!」


晴太
「おーっ!!今日の遊びはおいかけっこかーっ」





 なんて後ろから聞こえてくる。
5人の男子に勝てるわけない!!!
とりあえず隠れなきゃ…。





 教室に入ってカーテンの中に隠れる。
足が見えちゃうので窓の溝に乗る。





 窓から違う棟の教室が見える。
あ、悠先輩だ。
ちゃんと走ってる…。






姫香
「(あれ、こっち見てる?)」





 これは…移動すべきだな。





―ガラッ





姫香
「!」





 誰かが入ってきたみたい。
緊張が高まる。





晴太
「井上、パンツ見えてるよ」


姫香
「(え、どっから見てたんだ!!?)」





―ドキドキ





晴太
「反応なしか…」


姫香
「(なんだ、ただの釣りか…)」





 安心して一息つく。
あれ、足音が消えた。
出て行ったのか?





 窓を見ると未だにこちらを見ている悠先輩。
まだ見てたのか!!





―バッ





姫香
「えっ」





 突然カーテンが開かれた。
見つかってしまった。





晴太
「みーっけ!!」


姫香
「ぎゃあ!!」





 思い切り抱きつかれ、そのまま胸を触られる。





姫香
「やめてください、変態!!!」


晴太
「はぁーこの感触大好きっ是非とも生で触りたいなぁ」


姫香
「きもい変態馬鹿!!!」





 胸の触り方がすごくいやらしい。
抵抗するが適わない。





―ピーンポーンパーンポーン





先生
「2年D組蒼井!!!速やかに職員室にくるように!!!」





 怒った先生の放送で動きを止める。
それから晴太先輩と顔を見合わせて無言になった。





晴太
「涼介、なんかしたのかな」


姫香
「さ、さぁ?」





 犬のことでした。





(なんでここがわかったんですか?)
(悠からメールきた)
(あぁ…)


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