合流しようか






「ここどこだろう…」





 パン粉は廃ビルらしき場所に座り込んでいた。
辺りを見回し周囲を警戒する。
どうやら誰もいないようだ。






「これ、本物?」





 近くに無造作に転がっていた銃器に触れる。
思った以上に重たくなく、懐かしく感じた。





「(…変なの)」





 見知らぬ服装をすべてまさぐる。
銃弾が数個、それにさきほどケントに渡されたイヤホンとピンマイクとGPSがあった。
GPSは点滅している…動いている!
急いで方耳にイヤホンをしてピンマイクを取り付ける。





「き、聞こえますか……?」





 ゴソゴソと言う音がしている。





「やっぱり壊れちゃったのかなぁ…」



《ゴソゴソッ…って…ちゃ…》



「え、え、も、もしもし?!!」





 こうゆうのも出るときもしもしって言うのかな?
かすかに聞こえる声に耳をかたむける。





《…ね…聞こえる?パン粉ちゃん》





 聞こえた。
確かにはっきりと聞こえた。




「うん、聞こえるよ、ケントだよね?」


《うん、ごめんねカメラ設置してて気づかなかった》


「そうなんだ…」





 カメラ設置…?





《で、えーと、そこ誰かいる?》


「いない、仲間も…相手の人も」


《了解、とりあえず合流しようか?》


「うん、そうしよう!」





 正直不安でしょうがなかった。
こんな物騒なもの、知らない場所に一人でいるのなんて耐えられない。





《そこどんなところ?》


「多分、廃ビルかな…」


《あぁ、多分わかった、じゃあすぐそっち行くから大丈夫だと思うけど隠れてて》


「うん…わかった…」





 少し安心し、やけに静かな辺りを見回しちょうどよさそうな机の下に入り座り込む。
みんな、大丈夫かなぁ…。





by 恋

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