「お前バイトやめんだろ?」


「何急にw」





 人のベッドに寝転がり漫画を読んでいる唯太に問いかける。
風呂上がりな俺は長くなった髪を適当にタオルで拭きながら買っておいた炭酸を飲む。
それから気づく。
ベッドに今日買ってきた服が散らばっているのに。





「おい何勝手に見てんだよ」


「…秋那はえっちな服が好み?」





 夢希が選んだ服をいやらしそうに掴み揺らす。





「答えになってねーしそれ夢希が選んだやつだし」


「夢希?」





 明らかに頭に疑問符を浮かべている。
まさか覚えてないのか?





「中学の野球部の後輩だったやつ」


「あぁ夢希か!なんか俺のこと毛嫌いしてた子だよねー」





 思い出したらしい。
そういえば唯太をやけに嫌ってた気がする。
まぁ唯太がしつこくくっついていたせいか。





「なんで嫌われてたのかなー」


「さーな」


「秋那のことは大好きだったよねー」


「そうか?」


「そーだよ!!俺がいない時を見計らっていつも秋那にベタベタベタベタと…」


「どうでもいいけどブラジャーで遊ぶな」





 先ほどから胸に宛がったり被ったりなどしてるこいつに冷たい目線を送る。





「で、なんでバイトの話になったの?」


「あぁ、その夢希をバイトに誘おうかなって」


「ふーん…」





 持っていたブラジャーをきれいに畳んでパッと真剣な顔になった。
ちょっとビビる俺。





「バイトやめない」


「え、お前やめたいって…」


「気がかわった!!」


「なんだよそれ…」


「それに今は女の子いるし」


「女の子なんて…」





 といいかけて気づく。





「俺は男だあああああッッッッ」


「きゃー」





 久しぶりにおいかけっこをした。
んであとから気づく。
夢希から電話きてた…。





(うわぁ新着10件…)
(夢希くん恐ろしや…)



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