放課後、少し買い物に出かけた。
ヅラかぶって制服で。
とりあえず女服を臨時で買っとく。
そっちのがいい気がする。
しかしなぁ…。
「(唯太連れてくりゃよかったな)」
「あれ、秋那くんじゃないっスか?」
…?
振り返ると他校の男だった。
ちょっと待て、だれだこいつ…?
そんでなんで女の姿で俺とわかった?
「あれ、でもこんな女顔じゃなかったか…」
「えーと…」
「やっぱ秋那くんでスよね!桜木夢希ですよ!」
「あー、夢希か!!久々だなぁ」
中学生時代の後輩だ。
俺が高1の時に夢希は中3の時にTSUKAYAで会って以来だった。
「寂しかったっスよー…で、整形でもしました?」
あぁ、これが普通の反応だよ!!
こいつはそれなりにいい高校行ったから常識人だぁ!!!
「急に女になった」
「いやいやそんなまさか…」
「ゆ、夢希ぃー…!!」
―ガバッ
「わわっ?!」
「お前みたいな常識人に会えてよかったー!!」
「ちょ、秋那く///」
思わず抱きつくと照れている夢希が見えた。
うわ…男同士だったら見てて引くわ…。
にしても夢希はやたら俺になついてくれたなー…。
相談とかもよくのってくれたし。
「秋那くん…はずいっス///」
「俺も思った」
離れてしばらく無言。
…うーん。
「あ、の秋那くんは何してたんスか?」
「あぁ、いちよー女服でも買おうかとな」
「そか…一人ですか?」
「あー唯太連れてくりゃよかったんだがな…」
「じゃあ俺が一緒行きます!!」
「お、マジ?助かるわ」
夢希、なんか楽しそうだな。
まぁなんにせよ、助かった!
(ありがとな、夢希!)
(…はい///)
(なに照れてんだ)
(か、かわいいなと)
(うるせー)
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